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§ 2004年3月24日 発行 海外情報ニュースフラッシュ

スイスで放射性廃棄物の処分に関するアンケート調査を実施

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放射性廃棄物管理共同組合(Nagra)は2004年3月16日、世論調査会社への委託により、スイス国内で放射性廃棄物の処分に関するアンケート調査を行ったことをプレスリリースで公表した。今回の調査は、2003年11月17日から12月5日にかけて、ドイツ語およびフランス語を話すスイス人1000人以上を対象にしたものであり、放射性廃棄物の処分概念、技術および時間的な面での実現可能性について、スイス国民の考え方を明らかにすることを目的としたものである。調査の結果は以下の通りである。

可能な限り早期の処理を要望

この調査における回答者の83%が、地下深部の地層中に建設された処分施設における放射性廃棄物の安全な処分ができるだけ早い時期に実施されることを望んでいるほか、地表における長期間にわたる中間貯蔵には明確に反対する姿勢を示した。現在すべての放射性廃棄物は、原子力発電所の中間貯蔵建屋、ヴュレンリンゲン中間貯蔵施設(ZWILAG)及びヴュレンリンゲンにある連邦中間貯蔵施設(BZL)において貯蔵されている。

国内における廃棄物処分義務には高い評価

回答した4人のうち3人は、放射性廃棄物をスイス国内の地下深部の地層中に建設された処分施設に処分することを望んでいる。スイスの放射性廃棄物を外国において処分するオプションを支持したのは、わずか17%であった。 

スイスにおける処分は技術的に可能

回答したスイス国民の61%は、スイスの科学者が安全な処分技術を実現できる点について信頼感を抱いている。また回答者の86%は、処分施設のサイト選定が何よりもまず安全性に対する配慮に基づいて行われるべきだという見解を示した。住民の政治的な受け入れまたは地域経済への影響がサイト選定において決定的な役割を果たす可能性があるとしたのは、回答者の13%にすぎなかった。 

スイスでは、高レベルおよび長寿命の中レベル放射性廃棄物については、「処分の実現可能性実証プロジェクト」の報告書が2002年末にNagraから政府に提出されている。同報告書に対する国内外の評価の実施後、2006年頃に連邦評議会が、国内での処分オプションに関する将来の調査をチュルヒャー・ヴァインラント地方の母岩としてのオパリナス・クレイに集中させることを提案する同報告書に対する最終的な評価についての見解を示す予定である 。一方、低中レベル放射性廃棄物については、Nagraによって処分場サイトに選定されていたニドヴァルデン州ヴェレンベルグにおいて、同州が探査坑掘削許可を与えることについて州民投票で否決されたことにより、サイトとして断念することが決定し、実施主体であるヴェレンベルグ放射性廃棄物管理共同組合(GNW)は解散し、調査坑の埋め戻し作業も完了している というのが現状である。

今回の調査結果を受けて、Nagraは、放射性廃棄物の持続的な処分がスイスの国境内で可能な限り速やかに実施されなければならないという判断が明確に示されており、スイス国民の過半数が、科学者が安全な処分のための方策を技術的に実現できるものと考えているほか、処分場サイトを選ぶ際には安全性への配慮が最優先されるべきだと考えていることが明らかになったと考えている。

【出典】

  • Nagraプレスリリース、2004年3月16日 http://www.nagra.ch/deutsch/aktuell/f_aktpresse.htm

(post by 原環センター , last modified: 2010-08-30 )