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§ 2017年5月24日 発行 海外情報ニュースフラッシュ

米国で2018会計年度の予算要求-ユッカマウンテン許認可手続の再開等に係る予算を要求

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米国で2017年5月23日に、2018会計年度1 の大統領の予算教書が連邦議会に提出され、大統領府管理・予算局(OMB)のウェブサイトで公表された。また、エネルギー省(DOE)のウェブサイトでDOEの予算要求資料が公表され、使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物(以下「使用済燃料等」という。)の管理については、新たに「ユッカマウンテン及び中間貯蔵」プログラムが設けられ、120,000千ドル(約136億円、1ドル=113円で換算)が要求されている。また、原子力規制委員会(NRC)のウェブサイトでも予算要求資料が公表され、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書の審査手続の継続のための予算として、30,000千ドル(約33億9,000万円)が要求されている。

DOEの予算で新たに設けられた「ユッカマウンテン及び中間貯蔵」プログラムは、使用済燃料等に対する連邦政府の責務を満足するとともに、国家安全保障を強化し、将来の納税者の負担の軽減に資するものとされている。本プログラムは、ユッカマウンテン許認可申請書の審査手続を復活させるという現政権の決定を実施に移すものであり、処分場が開発されるまでの近い将来については、中間貯蔵の体制を確立するものとしている。本プログラムでは、2018会計年度の実施事項として、以下が示されている。

ユッカマウンテン(110,000千ドル(約124億円))2

  • 高度に技術的・詳細な質問への対応のため、処分場の閉鎖前・閉鎖後の解析活動を実施
  • 訴訟対応として技術的・科学的・法的支援を提供
  • 争点の解決に係る成果を反映して許認可申請書及び関連文書を更新・維持
  • 許認可申請書の支援文書との一貫性等を確保
  • 証言書の準備・レビュー
  • NRCの原子力安全許認可委員会(ASLB)の裁決手続によるヒアリングにおけるDOE側の証人・証言の準備
  • 裁決手続での証拠開示手続の準備
  • 裁決手続での質問書への対応・準備
  • 裁決手続での動議その他法的手続の支援
  • 許認可手続の支援に必要な地質学的試料・施設の維持
  • 他の政府機関、地方政府、公衆等に対する効果的なコミュニケーション提供の義務を支援する包括的なコミュニケーション戦略の構築

中間貯蔵(10,000千ドル(約11億3,000万円))3

  • 商業的な使用済燃料中間貯蔵サービスの競争的調達の計画・策定の開始
  • 使用済燃料等の将来における輸送を支援する、輸送計画・調達・国家環境政策法(NEPA)分析を加速する活動の開始
  • 将来の使用済燃料等の輸送に備えるため、地域・州等の輸送当局との関係の維持
  • 物流上の要件や解析能力に対する最低限の支援の維持

DOEの予算要求資料では、現在は停止されている原子力発電事業者からの放射性廃棄物基金への拠出金について、2020会計年度から徴収を再開することが示されている。拠出金の徴収には、金額の妥当性評価報告書が必要であることが1982年放射性廃棄物政策法で規定されており、DOEは2018会計年度において、拠出金の妥当性評価報告書の策定を開始するとしている。

なお、DOEの高レベル放射性廃棄物処分関連の活動としては、前政権ではDOE原子力局(NE)の燃料サイクル研究開発プログラムの下で、「使用済燃料処分等研究開発プログラム」(UNFD研究開発プログラム)及び「統合放射性廃棄物管理システム」(IWMS)として、研究開発活動、同意に基づくサイト選定プロセスの構築、超深孔処分フィールド試験などが実施されてきたが、今回公表されたDOEの予算要求文書では、両プログラムとも廃止が提案されている。ただし、中間貯蔵及び輸送計画に関する活動については、新設された「ユッカマウンテン及び中間貯蔵」プログラムに移管するものとされている。

一方、NRCの予算要求資料では、高レベル放射性廃棄物の予算として30,000千ドル(約33億9,000万円)が計上されており、主な活動として、処分場建設認可に係る許認可申請書の審査活動の継続、裁判形式の裁決手続再開の準備、関連訴訟への参加と準備が挙げられている。これまでNRCにおけるユッカマウンテン処分場の許認可申請書に係る審査活動は、過年度の歳出予算の未使用残高の範囲内で限定的に行われていた

また、2017年1月に操業を再開した廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)については、2016~2017会計年度と比較して約18,000千ドル(約20億円)増の323,041千ドル(約365億円)の予算が要求されている。要求額には換気システムや排気立坑の費用が含まれているが、主な増加要因として、2017年に操業が再開されたこと、是正活動の維持、輸送回数増加のための対応などが挙げられている。

【出典】

 

【2017年6月23日追記】

米国の連邦議会において、2017年6月20日~23日に、エネルギー省(DOE)の2018会計年度の予算要求に関するヒアリングが実施された。ヒアリングは、以下に示す日程で上下両院の関連委員会が開催したものであり、エネルギー長官が証人として出席して2018会計年度の予算要求について説明するとともに、各委員会の委員による質疑が行われた。

開催日 開催委員会

2017年6月20日

下院歳出委員会(エネルギー・水資源小委員会)

2017年6月21日

上院歳出委員会(エネルギー・水資源小委員会)

2017年6月22日

上院エネルギー・天然資源委員会

エネルギー長官が各委員会に提出した証言書では、高レベル放射性廃棄物処分に係る前進が必要との認識の下、ユッカマウンテン処分場に係る許認可活動の再開及び使用済燃料の中間貯蔵プログラムの開始のために1億2,000万ドル(約136億円、1ドル=113円で換算)の予算を要求していることが示されている。その上で、長期にわたり停止していたユッカマウンテン処分場の許認可活動の再開及び中間貯蔵施設の確保を明確に示した2018会計年度の予算要求は、高レベル放射性廃棄物に対応する連邦政府の義務を満足し、国家安全保障を強化し、将来の米国納税者の負担を軽減するものとしている。これはまた、原子力安全・安全保障に対する公衆の信任を増し、原子力が米国のエネルギー需要に貢献し続けることを支援するものとしている。

エネルギー長官は、各委員会の質疑での回答においても、ユッカマウンテン計画の再開と中間貯蔵プログラムの開始に強い意欲を示している。これに対し、ネバダ州知事及びネバダ州選出の連邦議会議員は、ネバダ州はユッカマウンテン処分場計画に一貫して反対を続けており、DOEは同意に基づくサイト選定の取組を継続すべきであるなどの主旨で、エネルギー長官が一連のヒアリングで示した見解を批判するプレスリリースを発出している。

【出典】


  1. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、今回対象となっている2018会計年度の予算は2017年10月1日からの1年間に対するものである。 []
  2. プログラム管理費用(19,600千ドル(約22億1,000万円))を含む []
  3. プログラム管理費用(3,400千ドル(約3億8,000万円))を含む []

(post by inagaki.yusuke , last modified: 2017-06-26 )