Learn from foreign experiences in HLW management

《米国》エディ・リー・エナジー・アライアンス(ELEA)サイトにおける中間貯蔵施設建設の許認可申請予定をホルテック社がNRCに通知

米国ニューメキシコ州のカールスバッド市近傍の自治体で構成されるエディ・リー・エナジー・アライアンス(ELEA)が計画する使用済燃料の中間貯蔵施設について、ホルテック・インターナショナル社(以下、「ホルテック社」という)は、2016年3月29日に、建設に係る許認可申請書を2016年11月30日に提出する予定であることを原子力規制委員会(NRC)に通知した。ホルテック社は、2015年4月にELEAとの覚書に基づいて、中間貯蔵施設の設計・許認可・建設・操業を担当することとなっており、2015年8月3日には許認可申請の意向通知をNRCに提出していた。

ELEAは、ニューメキシコ州南東部のエディ郡、リー郡、カールスバッド市及びホッブズ市の4自治体が設立した企業体であり、2006年11月にはエネルギー省(DOE)が進めていた国際原子力エネルギー・パートナーシップ(GNEP)計画における統合使用済燃料リサイクル施設の立地調査サイトの1つに選定されていた。ELEAは、GNEP計画が2009年6月に中止された後、GNEP計画のために購入していたリー郡内の土地を使用済燃料の中間貯蔵施設に活用することを目指し、2012年10月にはフランス・AREVA社の米国法人をパートナーに選定した中間貯蔵施設の建設計画が公表されていた

2015年4月に公表されたELEAとホルテック社との開発計画では、原子力発電所で実績のあるホルテック社の使用済燃料の貯蔵システムであるHI-STORM UMAX(Holtec International STORage Module Underground MAXimum securityの頭字語)を拡張した中間貯蔵システムの建設に向けて、許認可申請の準備が進められている。建設が予定されるHI-STORE集中中間貯蔵施設(以下、「HI-STORE CIS」という)の概要は、概念図に示す通りであり、地表面より下の換気付き縦型モジュールに貯蔵キャスクを収納するシステムとなっている。

ELEAで計画されているHI-STORE CIS(第1段階)の概要(左)とキャスク貯蔵概念図(右)

ELEAで計画されているHI-STORE CIS(第1段階)の概要(左)とキャスク貯蔵概念図(右)


キャラウェイ原子力発電所に設置されたHI-STORM UMAXシステム

キャラウェイ原子力発電所に設置されたHI-STORM UMAXシステム

ホルテック社は、ベースとなるHI-STORM UMAXシステムについて、米国で貯蔵中のすべての乾式貯蔵キャスクの受入れ・貯蔵が可能となるよう設計変更した上で、ELEAサイトにおける許認可申請書を提出する意向であり、安全解析書などはHI-STORM UMAXシステムで承認済みのものが参照される形となる。中間貯蔵施設の建設は段階的に進められる計画であり、当初のNRCへの許認可申請は、貯蔵キャニスタ500本を対象とし、最終的に4,000本の貯蔵が可能なシステムに拡張の予定とされている。

中間貯蔵施設の許認可スケジュールについて従来は、2016年6月の許認可申請書提出、2019年6月のNRC許認可取得、2019年9月の建設開始により、2020年には操業を開始する見通しが示されていた。今回のNRCへの申請予定日の通知に伴うスケジュールの見直し等については現状で公表されていない。

なお、ELEAは、中間貯蔵施設の開発事業者への建設予定地の売却を計画しており、2016年2月に、ホルテック社が公募手続を経た上で土地の購入オプション等の契約をELEAと締結している。本契約では、NRCからの許認可の取得及びDOE等との貯蔵契約締結などにより、中間貯蔵施設の建設が可能となった時点での土地購入、及び中間貯蔵施設からの収入をELEAへ分配することなどが規定されている。契約の発効には州の認可が必要とされている。

【出典】

 

【2016年9月23日追記】

米国ニューメキシコ州のカールスバッド市近傍の自治体で構成されるエディ・リー・エナジー・アライアンス(ELEA)は、使用済燃料の中間貯蔵施設を計画しており、中間貯蔵施設の設計・許認可・建設・操業を担当するホルテック・インターナショナル社(以下、「ホルテック社」という)は、2016年9月13日付のハイライト情報において、ELEAサイトにおける中間貯蔵施設の建設に係る許認可申請書の原子力規制委員会(NRC)への提出を、2017年3月に予定していることを公表した。2016年3月に行ったNRCへの通知では、許認可申請書の提出を2016年11月30日の予定としていた。

ELEAサイトにおける中間貯蔵施設の建設についてホルテック社は、ベースとなるHI-STORM UMAX(Holtec International STORage Module Underground MAXimum securityの頭字語)システムについて、米国で貯蔵中のすべての乾式貯蔵キャスクの受入れ・貯蔵が可能となるよう設計変更し、その後、中間貯蔵施設の建設に係る許認可申請を行うという段階的な許認可申請の方針としている。ホルテック社は、2016年8月30日に、HI-STORM UMAXシステムの適合承認(CoC)の変更申請をNRCに提出した。

なお、ホルテック社は、ELEAが保有する建設予定地の購入オプション等の契約を2016年2月に締結していたが、土地購入がニューメキシコ州政府によって承認されたことが、2016年9月13日付のウェブサイト情報で公表されている。

【出典】

(post by inagaki.yusuke , last modified: 2023-10-11 )