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《フィンランド》ポシヴァ社が地下特性調査計画書を公表

2003年10月13日、フィンランドの処分事業の実施主体であるポシヴァ社は、高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)の最終処分予定地であるオルキルオトにおける地下特性調査に関する計画書を同社のウェブサイトで公表した 。フィンランドではONKALOと呼ばれる地下特性調査施設の建設が予定されており、この計画書ではONKALOの建設計画を含めた地下特性調査計画の詳細がまとめられている。

フィンランドでは 処分場建設前段階における研究開発計画が 2001年1月にポシヴァ社から公表されていたが、今回の計画書はその中心をなす地下特性調査 の詳細計画を示したものであり、研究開発計画に対する2001年9月の放射線・原子力安全センター(STUK)のレビュー結果、および2003年2月のSTUKの見解書を踏まえて作成されている。前者では、研究開発計画全体について見解が述べられており、全体的に合理的とする一方、スケジュールの過密などを指摘している。後者では、処分場に化学的・機械的擾乱を与えないようにアクセス坑道を配置すべき等の指摘がなされている。

計画書は、ONKALO建設計画の概要、特性調査計画、地下調査の手法、特性調査に関連したモニタリング計画、評価モデル、建設と特性調査に関する研究開発、装置の開発、データ管理、組織体制・QA(品質保証) から構成されている。ONKALO建設計画の概要では、現時点でのONKALOレイアウト案(下図参照)やスケジュールも示されている。また、特性調査の計画では、調査戦略およびONKALOの各建設段階ごとの特性調査内容が示されている。さらに、調査の手法、データ計測、モデルによる評価についても、地質学、岩盤力学・熱物性、水文地質学、水文地質化学の各分野における計画などがまとめられている。

ONKALOの建設については、2003年5月に地元自治体に建設許可申請が行われているが、現在の計画によればONKALOは、2001年から2004年まで、ONKALOのアクセス坑道の位置決めを行うための地表からの調査(ステージ1)の後に、2004年7月からアクセス坑道の掘削を開始し、これと並行して特性調査を実施し、2010年10月に全体が完成の予定である。今回の計画書では深度レベルごとの詳細な建設スケジュールも示されている。

なお、ポシヴァ社のウェブサイトでは、ONKALOの施設およびスケジュール、地下特性調査などについてわかりやすく概要をまとめたパンフレットも公表されている。

ONKALOのレイアウト(地下特性調査計画書より引用)

【資料】

2003年2月のSTUKの見解(STUKからポシヴァ社への書簡)
〔フィンランド語原典〕  〔邦訳(仮訳)〕

【出典】

  • ONKALO-地下特性調査計画書(Posiva 2003-03)」、ポシヴァ社、2003年9月 (http://www.posiva.fi/raportit/POSIVA_2003-03.pdf) 〔約2.4MB〕
     ※ファイルサイズが大きいのでご注意ください。
  • ONKALOパンフレット、ポシヴァ社
    (http://www.posiva.fi/esitteet/Onkaloesite_ENG_kevyt.pdf)〔約450KB〕

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )