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《米国》エネルギー省(DOE)が戦略計画の草案を発表-ユッカマウンテン処分場計画についての中間目標案も提示

2003年8月6日、米国エネルギー省(DOE)は、戦略計画(Strategic Plan)の草案をDOEのウェブサイト上で公開した。この戦略計画は、DOEの今後25年間にわたる方針を示したもので、3年毎に改訂され、プログラムプランをはじめとするDOEの様々な計画の基本となるものである。

この戦略計画草案は、「国防」「エネルギー」「科学」「環境」の4つの戦略目標によって構成されている。そのうちの「環境」戦略目標の一つとして、放射性廃棄物が取り上げられており、ユッカマウンテンサイトにおける高レベル放射性廃棄物の最終処分場の建設認可発給、建設、2010年までの廃棄物の受入開始が目標として掲げられている。

DOEは、この目標を達成するために、以下の2つの戦略の実施を掲げている。

  1. ネバダ州ユッカマウンテンサイトにおける高レベル放射性廃棄物および使用済燃料の地層処分場の設置に向けた必要な処置を行う。
  2. 処分が必要となる将来の使用済燃料の量を削減できるような、将来的な廃棄物管理の代替案を可能とする、先進的な技術オプションに関する国際的な長期的研究計画を先導する。

また、DOEは、この目標の達成には以下の外的要因に影響を受ける可能性があるとしている。

  • 規制要件:原子力規制委員会(NRC)は、ユッカマウンテンに関するDOEの認可申請の承認について責任を有するが、NRCの認可発給に関するどのような遅れも、処分場操業の開始を遅らせる要因となる。
  • 訴訟:ユッカマウンテンにおける処分場の建設および操業の許認可発給についてのNRCのどのような決定も、法廷での異議申立てを受けることが予想される。
  • 市場要因:核燃料に関する革新的な技術の開発は、費用面の検討に大きく依存する。
  • 核不拡散政策:核燃料に関する革新的な技術の開発は、再処理を認めるとの政策転換に依存する。

今回の戦略計画の草案では、ユッカマウンテン処分場計画の中間目標として、以下のようなスケジュールを想定している。

  • 2004年12月までに、DOEは処分場建設の認可申請書をNRCに提出し、2008年の早い段階で認可を取得。
  • 2007年から2010年の間に、エネルギー長官は第二処分場の必要性について、大統領および連邦議会に報告。
  • 2008会計年度内に、DOEはユッカマウンテン処分場の建設を開始。
  • 2010年までに、DOEはユッカマウンテンへの廃棄物輸送を支援するための、全米およびネバダ州内の輸送インフラを開発。
  • 2010年に、DOEはユッカマウンテン処分場に処分する使用済燃料および高レベル放射性廃棄物の受け入れを開始。
  • 2014年までに、ユッカマウンテン処分場の最大年間受け入れ量を3,000トンに到達させる。なお、この戦略計画の草案については、9月8日を期限としてパブリックコメントの募集が行われる。

【出典】

  • DOE戦略計画草案についてのパブリックコメント募集用サイト http://strategicplan.doe.gov/
  • DOE戦略計画(草案) http://strategicplan.doe.gov/comment.asp

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )