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§ 2015年2月3日 発行 海外情報ニュースフラッシュ

スウェーデンSKB社が使用済燃料のキャニスタ封入施設の建設許可申請の補足書を提出

スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)は、2015年1月19日付けのプレスリリースにおいて、使用済燃料のキャニスタ封入施設の建設許可申請の補足書を提出したことを公表した。今回の補足書は、2011年3月の東京電力(株)福島第一原子力発電所事故後に実施されたストレステスト(原子力施設の安全性に関する総合評価)で特定された脆弱性対策に当たるものであり、建屋の耐震性の強化のほか、予備冷却システムを追加するといった設計変更を行うものである。SKB社は、キャニスタ封入施設を既存の集中中間貯蔵施設(CLAB、1985年操業開始)に隣接して建設する計画であり、これら2施設を一体としてCLINKと呼んでいる。また、SKB社はCLINKでの使用済燃料の貯蔵容量を11,000トンに拡張するための申請を別途行う予定であることを明らかにした1

CLINKの概念図(SKB社資料より引用)

CLINKの概念図(SKB社資料より引用)
※使用済燃料の中間貯蔵施設(CLAB)は1985年から操業しており、図に示すとおり、地下にある2つのプールとその真上にある建屋で構成されている。図の右側の建屋が新たに建設予定のキャニスタ封入施設であり、これら2施設を一体でCLINKと呼ぶ。

SKB社のキャニスタ封入施設の建設許可申請の補足書の提出を受けて放射線安全機関(SSM)は、2015年1月20日のプレスリリースにおいて、今回のSKB社のキャニスタ封入施設(CLINK)の建設許可申請の補足書は大幅な変更を含むものであり、この他にも春頃に別の補足書の提出がなされる予定があることを明らかにした。また、使用済燃料処分場の立地・建設許可申請に対する意見募集が進行中であることから、これらの申請書に関する協議期間を2016年1月31日まで延長する決定を行っている。

SKB社は、KBS-3概念2 による使用済燃料の最終処分の実現に向けて、以下に示すように、2006年11月にオスカーシャムにおけるキャニスタ封入施設の建設許可申請書を、2011年3月にフォルスマルクにおける使用済燃料処分場の立地・建設許可申請書をそれぞれ提出している(下記の囲みを参照)。現在、スウェーデンにおける使用済燃料処分場及びキャニスタ封入施設に関する許可申請では、環境法典と原子力活動法の2つの法律に基づく3つの申請書の審査が並行して進められている。

※:使用済燃料処分場の実現に向けて審査中の申請書

①使用済燃料の処分方法及び関連施設の立地選定に係る許可申請書
(2011年3月16日に土地・環境裁判所に提出)…環境法典に基づく申請
②オスカーシャムにおけるキャニスタ封入施設の建設許可申請書
(2006年11月にSSMに提出済、2011年3月16日更新)…原子力活動法に基づく申請
③フォルスマルクにおける使用済燃料処分場の建設許可申請書
(2011年3月16日にSSMに提出)…原子力活動法に基づく申請

【出典】

【2015年4月20日追記】

放射線安全機関(SSM)は、2015年4月14日付けのプレスリリースにおいて、スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)が提出していた使用済燃料の集中中間貯蔵施設・キャニスタ封入施設(CLINK)の建設許可申請について、安全審査を開始したことを公表した。SKB社は、2015年3月31日に、CLINKにおける使用済燃料の貯蔵容量を8,000トンから11,000トンに引き上げる追加の補足書をSSMに提出しており、SKB社から提出予定があった補足書が出揃ったことを受けたものである。

なお、SKB社は、環境法典に基づく申請書及び原子力活動法に基づく申請書への補足書を、それぞれ土地・環境裁判所及びSSMに提出し、受理されている。

SSMのプレスリリースによると、SSMは、原子力活動法に基づく申請書に関する審査意見書を2017年に政府へ提出する予定である。

【出典】

【2016年3月25日追記】

放射線安全機関(SSM)は、2016年3月23日付のプレスリリースにおいて、スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)が提出していた使用済燃料の集中中間貯蔵施設・キャニスタ封入施設(CLINK)の建設許可申請について、安全審査の中間結果として、CLINKの安全審査書を公表した。使用済燃料のキャニスタ封入技術に関する評価については、今後SSMが土地・環境裁判所に意見書を提出する2016年春に公表するとしている。

SSMは、今回の中間結果において、SSMが定める放射線安全に関する基準を遵守するようにCLINKを建設・操業する能力をSKB社が有していると評価している。また、使用済燃料の貯蔵容量を拡大する(8,000トンから11,000トンへ引き上げ)には、現在、プール内において保管している炉内構造物を別の場所に移す必要があるが、炉内構造物の保管場所を変更する前に、別途の許可申請を行う必要性があることを指摘している。

なお、SSMは、オスカーシャムにおけるCLINKの建設と、フォルスマルクにおける使用済燃料の処分場の立地・建設とを併せた、KBS-3概念による使用済燃料の最終処分場の全体の安全審査を進めている。SSMは、最終処分場の立地・建設許可申請書 に対する安全審査について、2015年6月に第1回の、同年11月には第2回の中間結果を公表しており、2017年に包括的な最終審査結果を政府に提出するとしている

【出典】


  1. 既存の使用済燃料貯蔵施設(CLAB)の貯蔵容量は8,000トンであるが、使用済燃料を稠密に配置するなどの方法により、地下プールを増設せずに11,000トンまで貯蔵可能になるとしている。 []
  2. スウェーデンで開発された使用済燃料の処分概念であり、使用済燃料の集合体を銅製のキャニスタに封入し、処分坑道の床面に掘削した処分孔に縦置きでキャニスタを収納して、キャニスタの周囲を緩衝材(ベントナイト)で囲うというもの。本概念を検討した報告書の略称に由来しており、フィンランドも同様な概念を採用している。 []

(post by sahara.satoshi , last modified: 2016-03-25 )