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《フィンランド》雇用経済省、最終処分場の拡大に関するポシヴァ社の環境影響評価(EIA)計画書への見解書を公表

フィンランドの雇用経済省は、2008年8月22日付のプレスリリースにおいて、高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)処分の実施主体であるポシヴァ社が、2008年5月13日に同省に提出した最終処分場の拡大に関する環境影響評価(EIA)計画書への見解書を公表したことを明らかにした。雇用経済省は2008年7月25日までポシヴァ社のEIA計画書に対する意見を受け付け、隣接国及び様々な関係機関・団体、個人から寄せられた意見を踏まえて見解書を作成している。

同プレスリリースによると、雇用経済省は、ポシヴァ社のEIA計画書の記述内容は関係法令で定められた主な要件を満足したものであるとした上で、今後のEIA手続の実施とEIA報告書の取りまとめに関して、以下の見解を述べている。

  • 環境影響評価は、オルキルオトの処分場で処分される使用済燃料の量について、6,500、9,000、12,000トンの3つの処分量シナリオを対象としたものであること。
  • EIA報告書には、再処理や核種変換技術の現状と将来の動向の評価が含まれるべきであること。
  • 環境影響評価は、オルキルオトにおける処分以外のプロジェクトに起因する全ての影響を対象としたものであるべきこと。
  • EIA報告書には、処分場の拡大という目的を達成するための場所の選定についての説明が記述されるべきであること。
  • EIA報告書には、最終処分場の長期安全性のほか、使用済燃料の輸送を含む操業中の事故時の影響の評価を記述すべきであること。
  • EIA手続への参加状況の評価を行うこと。

この雇用経済省によるEIA計画書に対する見解を受けて、ポシヴァ社は、EIA手続の次のステップとしてEIA報告書を作成し、雇用経済省に提出することになっている。ポシヴァ社のEIA計画書によれば、EIA報告書の公表は2008年9月末頃と予定されており、その後EIA報告書に対する雇用経済省の見解書が取りまとめられるまで、EIA手続は少なくとも2009年初頭まで継続する予定である。

なお、現時点では、オルキルオトに建設することになっている最終処分場では、フィンランドで運転中の4基と現在建設中の1基の原子炉から発生する使用済燃料を6,500トンまで処分する計画が認められている。ポシヴァ社は、2008年4月25日にオルキルオト原子力発電所4号機から発生する使用済燃料を処分するために、最終処分場の処分容量を9,000トンに拡大する原則決定申請を行っていたが、その後2008年5月13日には、ロヴィーサ原子力発電所3号機の導入計画に対応して処分容量を12,000トンに拡大するために、原則決定申請に必要となるEIA報告書を作成するための計画書であるEIA計画書を雇用経済省に提出していた

【出典】

  • 雇用経済省(TEM)、2008年8月22日付プレスリリース、http://www.tem.fi/?89521_m=92323&l=en&s=2471
  • ポシヴァ社環境影響評価(EIA)計画書(2008年5月13日)、http://www.posiva.fi/publications/Posiva_en_final_min.pdf

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )