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§ 2013年12月12日 発行 海外情報ニュースフラッシュ

フランスで国家評価委員会(CNE)が第7回評価報告書を公表

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フランスの放射性廃棄物等の管理に関する調査研究等の進捗状況を評価する国家評価委員会(CNE)は、2013年12月10日に、第7回評価報告書を議会科学技術選択評価委員会(OPECST)に提出するとともに、CNEのウェブサイトで公表した。

2006年放射性廃棄物等管理計画法の規定に基づいて、CNEは、放射性廃棄物等の管理に関する取組や調査研究等の進捗状況について毎年評価を行い、評価結果を報告書に取りまとめて議会に提出している。第1回評価報告書は2007年6月に取りまとめられており、今回の報告は7回目となる。

第7回評価報告書の冒頭の「要約と結論」においては、地層処分について、以下のような評価結果が示されている。

  • Ÿムーズ県、オート=マルヌ県の両県における15年以上の研究の結果、地層処分場を建設することができる地層の存在が確認されている。しかし、地層処分場の第1ユニットの建設時に、粘土層に到達するまでは実際の地層の特性についての知見の大きな進捗は見込めないため、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は、第1ユニットの建設と並行して、科学技術的な研究プログラムを実施しなければならない。
  • ŸANDRAは国際的な研究枠組みも活用し、シーリング材による密閉に関する研究を開始した。実際の地層処分場においてのみ実施可能な試験には非常に長い期間を要することから、モデル化が重要となるが、物理化学と水理学分野でモデル化が大きく進展している。
  • Ÿ地層処分場の設置許可申請の時点では、閉じ込めの冗長性を確保するためのシーリング材による密閉の検討を完了することはできないが、ANDRAが他国の知見のフィードバックを活用しつつ、研究活動を継続すれば問題ない。
  • 水理学的プロセスのモデル化や、気相の有無に応じた水中の物質移行に関するモデル化には大きな進展があった。ANDRAは粘土層における水の移動によって生じる現象を理解・予測するための非常に有効なツールを有しており、これらのモデルによって、地層処分場の性能を評価し、設置許可申請の際に提出される安全評価書の内容をより詳細化することが可能になる。

また、「要約と結論」では、2013年初めに、電気事業者も参加して地層処分場の概念案に関するレビューが実施されており、その結果は以下のとおりであったとしている。

  • ŸANDRAが特に火災分野の安全要件の選択を行ったことを確認した。
  • ŸANDRAは、費用低減のため、中レベル長寿命放射性廃棄物を定置する水平坑道の長さを、従来の400mから500mに延長することを提案している。
  • Ÿレビュー結果もふまえてANDRAは、地層処分場プロジェクトを最適化する道筋や、掘削中及び掘削後に検討すべき科学技術的な課題について、期限を設定し、設置許可申請前に特定しなければならない。
  • Ÿ地層処分場には多くの種類の中レベル長寿命放射性廃棄物を処分すること、エネルギー政策が将来において転換された場合に適応することも想定し、十分な柔軟性をもたせなければならない。
  • Ÿ自然発火性の金属や、有機物を含む廃棄物について、処理と処分の両側面を考慮したさらなる研究が必要である。ANDRAと電気事業者は、通常の状況及び事象が発生した状況におけるこれらの廃棄物の挙動に関する研究結果を示し、知見をまとめた文書を作成しなければならない。

なお、CNEは、2013年末に政府が地層処分場の費用予測を決定する予定であることも明らかにしている。費用予測は、エコロジー省エネルギー・気候総局(DGEC)が主導し、ANDRAや電気事業者も参加した作業部会において進められているものであり、CNEは試算額が2005年の試算に比べて上方修正される見通しであるとしている。

また、CNEは、地層処分場の第1ユニットの建設費用について、ANDRAが速やかに詳細な評価を示すことが重要であり、特にベルギー、フィンランド、スウェーデンにおける処分プロジェクトの費用試算とその資金確保方法について比較することが望ましいとしている。

 

【出典】

 

(post by yokoyama.satoshi , last modified: 2013-12-12 )