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§ 2013年9月24日 発行 海外情報ニュースフラッシュ

スイスでNAGRAが地層処分場の地上施設の安全性と地下水の保護についての報告書を公表

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スイスの放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)と連邦エネルギー庁(BFE)は、2013年9月16日に、地層処分場の地上施設の安全性と地下水の保護について評価した報告書を公表した。本報告書においてNAGRAは、適切なサイトを選定し、地上施設の適切な設計と操業が実施されれば、施設の安全な建設と操業は可能であり、地下水に特別な危険を及ぼすものではないと結論付けている。

2012年1月のNAGRAによる地上施設の設置区域20カ所の提案以降、地域参加を促進するためにBFEが主導して設置した「地域会議」 では、NAGRAが提案した地上施設に対して検討を加えてきた。地域会議は地上施設の安全性や事故の可能性を特に注目してきたとしている。

2012年11月にBFEは、NAGRAに対して、地上施設を設置することによる影響からの住民と環境の保護についての報告書の作成を要請した。BFEのプレスリリースによると、報告書については、地上施設に関する知見の水準が今後段階的に向上することを考慮に入れるため、BFEは個別のサイトに限定しない形で考察すべきとしたとしている。

NAGRAが報告書のドラフトを作成した後、BFE、規制機関である連邦原子力安全検査局(ENSI)、環境に関する審査機関である連邦環境庁(BAFU)は、報告書のドラフトを検討した。さらに、2013年4月から6月にかけて、州側の3つの専門家グループ(サイト地域所在州技術調整グループ1 、州安全ワーキンググループ(AG SiKa)2 、州安全専門家グループ(KES)3 )が環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)設置の処分場諮問委員会4 と協議を行った。協議の結果に基づいて、NAGRAは報告書のドラフトを修正し、報告書の最終版を2013年8月30日にBFEへ提出した。なお、今回NAGRAが公表した報告書では、原子力安全、放射線防護、操業時に原子力事故ではない通常の事故が発生した場合の安全性、建設段階及び操業段階での地下水の保護に関する予測が示されている。

NAGRAの報告書については、ENSIとBAFUが見解を表明している。ENSIは、施設の概念、操業状況の経過、インベントリについての評価は妥当であり、地上施設の安全性、住民と環境の保護、地上施設の許可が疑問視される理由はないとしている。BAFUも報告書でのNAGRAの見解に同意しており、地上施設をAu水資源保護領域5 に建設した場合でも、地下水に特別な危険を及ぼすものではないとしている。また、BFEは、今回の報告書の役割、目的、意義を説明する付属文書を公表している。

特別計画「地層処分場」に基づくサイト選定の第2段階では、低中レベル放射性廃棄物用、高レベル放射性廃棄物用の地層処分場について、それぞれ2カ所以上の候補サイトの選定が行われる。候補サイトの選定は、今後実施される予備的安全評価や地上部分・地下部分・アクセス構造物の安全性の評価に基づいて行われる。なお、今回のNAGRAの報告書とENSI及びBAFUの見解は、今後開催予定の地域会議に提出される予定である。

 

【出典】


  1. 安全性、地域開発計画、コミュニケーション及び地域参加に関して一つまたは複数のサイト地域 を含む州の活動を調整する。各グループの役割については以下を参照。Members of official bodies involved in the search for suitable sites and their roles, 2013年7月24日 http://www.bfe.admin.ch/radioaktiveabfaelle/01277/05193/index.html?lang=en&dossier_id=05198 []
  2. 一つまたは複数のサイト地域を含む州に対する安全性の評価を実施・調整する。州安全専門家グループに責任を負う。 []
  3. 安全性に関する資料の評価において州を支援し、助言する。 []
  4. 地層処分場のサイト選定手続の実施においてUVEKに助言をする 。 []
  5. 利用可能な地下水領域とその境界部分を指す。 []

(post by yamamoto.keita , last modified: 2013-09-24 )