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《米国》廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)で廃棄物定置用の新しいパネルの運用を開始

米国のエネルギー省(DOE)のカールスバッド・フィールド事務所(CBFO)は、2013年8月1日付けのプレスリリースにおいて、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)の新しい廃棄物定置用の第7パネルについて、2013年7月半ばにニューメキシコ州環境省(NMED)からTRU廃棄物の処分のための使用承認が得られ、運用準備が整ったことを公表した。

WIPPで処分されるTRU廃棄物は軍事起源のもののみであるが、放射性物質と化学的有害物質が混合している廃棄物(混合廃棄物)がほとんどである。放射性廃棄物の処分については、環境保護庁(EPA)の適合性認定を受けているが、有害廃棄物を規制する連邦資源保全・回収法(RCRA)で必要とされる許可については、EPAの承認の下でニューメキシコ州が規制に当たっている。有害廃棄物の許可条件に基づいて、新たなパネルごとに、有害廃棄物の許認可当局であるNMEDの使用承認を受ける必要がある。

現在、第6パネルでTRU廃棄物の定置が行われているが、第6パネルでの定置が終了した後、2013年8月にも第7パネルでの廃棄物定置を開始するとしている。第7パネルでは、ロスアラモス国立研究所(LANL)の地上で貯蔵されているTRU廃棄物、アイダホ国立研究所(INL)で貯蔵されている「直接ハンドリングが可能なTRU廃棄物」(CH廃棄物)及び「遠隔ハンドリングが必要なTRU廃棄物」(RH廃棄物)の処分を実施するとしている。

1999年3月26日の操業開始以来、2013年7月29日までのWIPPへのTRU廃棄物の輸送は11,479回、総輸送距離が約2,209万kmに達し、2013年7月27日現在で、約87,501m3のCH廃棄物と約343m3のRH廃棄物が処分されるなど、順調な操業が継続されている。

なお、WIPPは、「米国の原子力の将来に関するブルーリボン委員会」の最終報告書で同意に基づく処分場立地の米国での良好事例とされるとともに、2013年9月にも最終環境影響評価書(DEIS)が出される予定のクラスCを超える低レベル放射性廃棄物(GTCC廃棄物)の処分の選択肢の一つとされている

【出典】

(post by inagaki.yusuke , last modified: 2023-10-11 )