諸外国での高レベル放射性廃棄物処分

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諸外国の高レベル放射性廃棄物の処分関連機関 (リンク集)

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フィンランド リンク集

フィンランド フィンランド

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フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物処分の実施体制

フィンランド語のカタカナ標記について — フィンランド語では、アルファベット“B”の文字はほとんど使用されず “V”が使われます。カタカナ表記する際に「ボ」と「ヴ」の区別にあまり意味がありません。このサイトでは、慣例的に「ポシヴァ社」(Posiva)のみ「ヴ」を使い、それ以外では原則として「ヴァ、ヴィ、ヴ、ヴェ、ヴォ、ヴュ」ではなく、「バ、ビ、ブ、ベ、ボ、ビュ」で表しています。

国の組織

フィンランドは議院内閣制に近い半大統領制であり、大統領と首相の両方が存在する。

フィンランド議会(国会)

〔フィンランド語〕Eduskunta | 〔英〕Parliament of Finland

一院制(200議席)。フィンランド語での読みは エドゥスクンタ。

フィンランド政府(内閣)

〔フィンランド語〕Valtioneuvosto | 〔英〕Finnish Government

  • 首相(総理大臣)及び11省の大臣から構成される。(合計12名)
  • フィンランド語では本来、大統領に統括される内閣である「政府」(hallitus)と、首相の率いる「内閣」(valtioneuvosto) の区別がある。日本と比較してフィンランドの行政システムを考える場合には、後者の「内閣」を政府と見なしうるので、(わかりやすさのために)このサイトでは「内閣」(valtioneuvosto)を指して“政府”という言い方をしている。
    (→Facts about the Government
フィンランド政府Webサイト:「原則決定」(Valtioneuvoston periaatepäätös)の公開ページ

https://valtioneuvosto.fi/paatokset/periaatepaatokset

  • フィンランドでは、「内閣」(valtioneuvosto) が行政府の最高意思決定機関であり、省が単独で決定権をもたない事項は閣議で決定される。特に、複数省間の調整が必要な重要問題の長期計画(政策)は「原則決定」(periaatepäätös、英語ではDecision-in-Principle と表記され、通常の意味での政府決定とは区別される) と呼ばれる文書として閣議決定される。なお、フィンランドの「内閣」は、(法律が未整備な問題の)よろず事前相談所的な性格を併せもっており、閣議への提議は大臣だけでなく、事業者でも(誰でも)可能とされている。原則決定の例としては、地デジ移行プロジェクトなどがある。
  • フィンランドでは、原子力法の1987年改正時に、重要な原子力施設(原子力発電所、地層処分場など)については、事業者からの提議された計画を「内閣」で審議して原則決定する手続きが法制化された。政府(内閣)はフィンランド社会全体の利益に合致するかどうかという判断の観点や、事前に必要な手続きや条件(公聴会の開催、原子力施設立地の受け入れに対し好意的であるかの確認など)が規定された。この原則決定の手続きは、既存の内閣での意思決定慣行を法律条項として規程した格好であり、このような例は 原子力法 以外では見かけられていない。


雇用経済省(TEM)

〔フィンランド語〕Työ- ja elinkeinoministeriö |〔英〕The Ministry of Economic Affairs and Employment (MEAE)

  • 原子力分野の監督権限をもつ。


用語解説:フィンランドでは、「放射性廃棄物」(= radioaktiivisia jätteitä)と「原子力廃棄物」(= ydinjätteellä)は区別して用いられています。後者は原子力法で定義されている用語です。単純に言うと、原子力発電所を起源とする放射性廃棄物や使用済燃料を指します。

原子力廃棄物管理基金

〔フィンランド語〕Ydinjätehuoltorahasto |〔英〕Nuclear Waste Management Fund

  • 原子力廃棄物管理基金は、国家原子力廃棄物基金の管理運用組織であり、雇用経済省が所管している。
  • 基金の名称は、フィンランド語で Valtion ydinjätehuoltorahasto (=国家原子力廃棄物基金)といい、VYLと略記される。
  • YVLの積み立て対象は、高レベル放射性廃棄物及びその他の放射性廃棄物の処理、中間貯蔵、輸送、処分までの費用と、原子炉施設の廃止措置費用である。
  • 基金の管理運用組織は、国家原子力廃棄物管理基金以外にも、原子力安全研究基金(Ydinturvallisuustutkimusrahasto)、原子力廃棄物研究基金(Ydinjätetutkimusrahasto)の管理運用も行っている。


フィンランド技術研究センター(VTT)

〔フィンランド語〕Teknologian tutkimuskeskus VTT |〔英〕VTT Technical Research Centre of Finland Ltd.

  • VTTは複合技術の応用研究を主体とする国立研究所であり、雇用経済省が所管している。フィンランドの技術水準を維持・向上させ、官民の研究および試験の要請に応えることを任務としている。職員数は約2,800名であり、北欧最大の研究機関である。基礎研究よりむしろ、基礎的な研究成果を商品化に結びつける応用面を中心に実施しており、民間企業からの依頼に応じた受託研究や、共同研究も多く行っている。
  • 研究用原子炉(FiR1)を運転しており、放射性廃棄物の発生者でもある。
  • VTTは、処分実施主体のポシヴァ社からの受託研究(性能評価など)を実施している。また、規制支援研究として、放射線・原子力安全センター(STUK)が行う研究も受託している。
KYT(雇用経済省が運営する 原子力廃棄物管理に関する研究開発プログラム)

〔フィンランド語〕Kansallinen ydinjätehuollon tutkimusohjelma (KYT) 2011-2014
〔英〕Finnish Research Programme on Nuclear Waste Management 2011-2014

  • このプログラムは、原子力法(第53b条)に基づいており、異なる原子力廃棄物管理の方法や実行手段を比較するときに必要な原子力専門技術及びその他の能力について、当局が十分で包括的な有用性を確保していることを目的とする。
  • 最新のプログラムはKYT2014と呼ばれており、実施期間は2011年から2014年までとなっている。KYT2014のウェブサイトはフィンランド技術研究センター(VTT)が運営している。


フィンランド地質調査所

〔フィンランド語〕Geologian tutkimuskeskus (GTK) |〔英〕Geological Survey of Finland

  • フィンランド地質調査所は、雇用経済産業省傘下の国立研究所である。フェノ・スカンディアの鉱床データベース及び地図の提供を行っており、官民の各種プロジェクトにおいて地下資源の持続的開発を促進することを任務としている。


放射線・原子力安全センター(STUK)

【規制機関】〔フィンランド語〕Säteilyturvakeskus |〔英〕Radiation and Nuclear Safety Authority

  • 1984年に現在の組織名(フィンランド語での名称)となる。前身は社会保健省下の放射線防護研究所であったが、原子力安全も担当するようになった。行政機構としては、現在も社会保健省の監督下にあるが、原子力安全と放射線防護の規制はSTUKの専任事項となっている。
  • 1984年時点の英語名称は Finnish Centre for Radiation and Nuclear Safety であったが、その後1997年に英語名称を上記のように変更している。 (→ http://www.stuk.fi/stuk/en_GB/historia/)



事業者

ポシヴァ社

【処分実施主体】 〔フィンランド語〕Posiva Oy |〔英〕Posiva

  • 原子力発電事業者2社(TVO社、FPH社)の共同出資により 1995年に設立。
  • 高レベル放射性廃棄物の処分を専門に担当し、低レベル放射性廃棄物の処分は行っていない。


原子力発電事業者など
  • テオリスーデン・ボイマ社(TVO社) Teollisuuden Voima Oyj (TVO)
  • フォルツム・パワー・アンド・ヒート社(FPH社)Fortum Power and Heat Oy
  • フェノボイマ社 Fennovoima Oy … Fennovoima has two owners: Voimaosakeyhtiö SF and E.ON Kärnkraft Finland.
    • フェノボイマ社の「フェノ」は、フェノ・スカンディア(FennoscandiaもしくはFenno-Scandinavia)のフェノである。一般に「フェノ・スカンディア」という場合、スカンディナヴィア半島部(ノルウェーとスウェーデン)に加えて、フィンランド、ロシア連邦のカレリア共和国、コラ半島(ロシア連邦ムルマンスク州)を含む領域をさす。
    • フェノボイマ社はポシヴァ社への出資はしておらず、また、TVO社、FPH社とも経済的な協力関係にはない。
  • フィンランドエネルギー産業協会
    〔フィンランド語〕Energiateollisuus |〔英〕Finnish Energy Industries
  • フィンランド原子力協会(ATS)
    〔フィンランド語〕Suomen Atomiteknillinen Seura |〔英〕Finnish Nuclear Society


自治体関連

〔フィンランド語〕kunta |〔英〕municipality

エウラヨキ自治体

〔フィンランド語〕Eurajoen kunta |〔英〕Eurajoki municipality
※2014年より、日本語での表記を「ユーラヨキ」から「エウラヨキ」に変更しました。

  • 地層処分場の建設地であるオルキルオトがある。
ブオヨキ財団

〔フィンランド語〕Vuojokisäätiö ,〔英〕Vuojoki Foundation

  • 2003年に設立。エウラヨキにある歴史遺産である旧領主邸宅(ブオヨキ邸〈1836年建設〉フィンランド語では Vuojoen Kartano, 英語ではVuojoki Mansion)を管理しており、同施設を利用した教育、研究、文化センターの活動運営を行っている。施設内にレストランや展示・多目的ホールが設られている。
  • この施設は以前はエウラヨキ自治体が高齢者向けホーム施設として使用していたが、これをポシヴァ社にリース。同社が改装後、本社事務所を移転している。
スウェーデン リンク集

スウェーデン スウェーデン

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スウェーデンにおける高レベル放射性廃棄物処分の実施体制

国の機関

スウェーデン議会(国会)

〔スウェーデン語〕Sveriges riksdag |〔英〕Swedish Parliament

一院制(349議席)


スウェーデン政府

〔スウェーデン語〕Regeringen |〔英〕Government Offices of Sweden

  • 国会が任命する首相と首相が指名する国務大臣から構成される。
  • 使用済燃料の処分場の立地・許可申請(SKB社が2011年3月に申請)では、原子力活動法に基づく原子力施設の建設・操業の許可発給、環境法典に基づく新規の環境有害性事業の許可発給は、政府が行うことになっている。

スウェーデンにおける行政の仕組み

  • スウェーデンでは、「省」(departement)の業務は政策の企画立案が主体であり、法律に基づく行政業務は省から分離された「行政執行機関」(Myndigheter、英語表現ではAgencyが使われるが、わが国の省外局=庁とは異なる)が実施する。政府の省は、所管する行政執行機関(庁)の長官を任命(通常、任期6年)し、年次報告を受けて その活動を評価する。
  • 行政執行機関は、法律の立法精神を達成するために設置されるものであり、具体的な役割や規制権限は関係法令(省令)において規定される。
  • 行政執行機関が日常的に行う行政行為や決定に対して、その所管省が直接介入することはない(禁止されている)点が特徴である。行政執行機関による法律の執行に問題があると所管省が判断した場合には、関係法令の改正を行うことで対処する。

参考:How Sweden is governed (スウェーデン政府ホームページ)


気候・事業活動省

〔スウェーデン語〕Klimat- och näringslivs­departementet |〔英〕Ministry of Climate and Enterprise

  • 2022年9月の総選挙後の新政権で設置された省。気候変動、環境、エネルギー、事業活動(エンタープライズ)、イノベーション、放射線安全を所管する。「環境」を冠した省はなくなった。
  • 環境法典、原子力活動法、放射線防護法を所管しており、これらの法律に関して政府を代表する。


放射線安全機関(SSM)

【規制機関】 〔スウェーデン語〕Strålsäkerhetsmyndigheten | 〔英〕Swedish Radiation Safety Authority

  • 環境省が所管する中央行政執行機関。法的拘束力をもつ規則(SSMFS)を独自に定めることができる。2008年7月に、原子力発電検査機関(SKI)と放射線防護機関(SSI)が合併し、新たな規制機関として設置された。スタッフは約250名。
  • 放射性廃棄物の処分に関しては、極低レベル放射性廃棄物の埋設処分(地表での埋め立て)の事案のみ、許可発給権限がSSMに付与されている。政令で指定されている放射能濃度を超える廃棄物の処分―地層処分や岩盤空洞での処分―の許可申請の場合、SSMは政府に対して審査意見書(規制方法を含む)を提出し、政府が発給する許可証において許可条件が明示される。

用語解説:スウェーデンでは、「放射性廃棄物」(= radioaktiva avfall)と「原子力廃棄物」(= kärnavfall)は区別して用いられています。後者は原子力活動法で定義されている用語です。単純に言うと、原子力発電所を起源とする放射性廃棄物や使用済燃料を指します。


原子力廃棄物基金

〔スウェーデン語〕Kärnavfallsfonden |〔英〕Nuclear Waste Fund

  • 環境省の管轄下の委員会形式の中央行政執行機関。原子力発電事業者が拠出する資金を運用している。(基金の名称とその運用管理組織の名称が同じ)
  • 最高意思決定機関として 7名の理事会がある。実務スタッフは 国の“法務・金融・事務サービス局”(Förvaltningsavdelningen, Office for Administrative Affairs)から派遣されている(専任スタッフを持たない)。


原子力廃棄物評議会

【諮問機関】 〔スウェーデン語〕Kärnavfallsrådet | 〔英〕Swedish National Council for Nuclear Waste

  • 環境省に属する学術的性格の諮問組織(委員会)。原子炉の運転・解体から発生するあらゆる廃棄物関する問題を調査し、それらの問題に関する助言を政府及び特定の機関に与える任務を担う。
  • 11名の委員から構成され、環境省が任命する。1992年に閣議で設置が決定された組織であり、法令で設置された組織ではない。1992年発足当時の名称は“Statens råd för kärnavfallsfrågor”であったが、2009年以降から現在の名称となった。ただし、英語標記はいずれもSwedish National Council for Nuclear Waste である。
  • 国(環境省)の独立した諮問組織となる1992年の設置以前には、規制行政機関の内部組織として “Samrådsnämnden för kärnavfallsfrågor”(KASAM)という名称で活動しており、1986年には原子力廃棄物に関する現状を解説する最初の報告書をとりまとめるなど、現在の原子力廃棄物評議会が行っている活動の一部を担っていた。KASAMという場合は、国の諮問機関となる以前の組織のことをいう。
  • 2022年12月末に廃止された。2018年3月の閣議決定において、原子力廃棄物評議会の活動は2022年末までに限定され、それ以降は5年毎に延長する余地が残されていた。1992年の発足から30年にわたって政府に対する助言へのアドバイスを行ったほか、原子力産業界をはじめ、使用済燃料の最終処分に関係する様々な行政機関、自治体、非政府組織(NGO)、関心を持った人々、マスメディアに対してナレッジベースとして貢献してきた。


環境保護機関 (Swedish EPA)

〔スウェーデン語〕Naturvårdsverket |〔英〕Swedish Environmental Protection Agency

  • 環境省が所管する中央行政執行機関。法的拘束力をもつ規則(NFS)を独自に定めることができる。環境省内の行政庁(外局)ではないため、訳語として「環境保護機関」としている。
  • 環境法典が順守され、国家環境目標が達成されるように、環境政策の実施面をサポートする役割をもつ。


エネルギー庁

〔スウェーデン語〕Energimyndigheten |〔英〕Swedish Energy Agency

  • 新エネルギー、再生可能エネルギー技術、スマートグリッド等に関する研究へのファイナンスを行っている。
  • The Agency finances research for new and renewable energy technologies, smart grids, and vehicles and transport fuels of the future. The Agency supports commercialization and growth of energy related cleantech.


債務管理局

〔スウェーデン語〕Riksgäldskontoret |〔英〕Swedish National Debt Office

  • 財務省の監督下の中央行政執行機関。中央政府のための銀行であり、国債等の管理を行う。
  • 2018年9月1日より、実施主体SKB社が3年毎に取りまとめる費用算定書の審査を行い、原子力廃棄物拠出金の額をスウェーデン政府に提案する(従来はSSMが担当していた業務が債務管理局に移管された)。


スウェーデン電力系統運用会社 (国営企業体)

〔スウェーデン語〕Svenska Kraftnät |〔英〕Swedish National Grid

  • 環境・エネルギー省の監督下にある国営企業(state-owned public utility)。1992年に設立され、スウェーデンの電力と天然ガスの系統を独占的に運用する会社である。北欧の国際電力市場(Nord Pool)を運用するNord Pool Spot社の総株式の20%を保有する。


県域執行機関

〔スウェーデン語〕Länsstyrelserna |〔英〕County Administrative Boards

県域執行機関は、21の県域(スウェーデン語でlän、レーン)単位に設置されている国の出先機関の総称(↔中央行政執行機関)。所管する県域における政府代表である。国レベルの政策目標が達成されるように各種の調整業務を行うほか、管轄県域内の地方自治体、企業などを監督する。スウェーデンには日本の「都道府県」に相当する地方自治体はなく、länは国の出先機関の設置単位を指す。


土地・環境裁判所

〔スウェーデン語〕Mark- och miljödomstolen |〔英〕Land and Environmental Court

  • 環境有害性事業(政令で指定)の新規事業の場合、環境法典に基づく事業許可申請書を「土地・環境裁判所」に提出することになっている(2011年5月2日からは環境法典の改正以前は、呼称が「環境裁判所」 Miljödomstolen であった)。スウェーデンでは、特定の法分野に関して通常裁判所 rätter では終局結審ができない特別裁判所(domstolen)がある。これには、環境裁判所のほか、労働裁判所・公正市場裁判所・住宅裁判所などがある。第1審となる土地・環境裁判所は全国に5カ所(全53地方裁判所から政令で指定)。


事業者

スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)

【処分実施主体】〔スウェーデン語〕Svensk Kärnbränslehantering (SKB) AB |〔英〕Swedish Nuclear Fuel and Waste Management Company

  • 原子力発電事業者4社の共同出資により 1984年に設立。使用済燃料の中間貯蔵施設を操業しているほか、低レベル放射性廃棄物の処分も実施している。
  • 2011年3月に、使用済燃料の地層処分場を立地・建設する許可申請を行った。
原子力発電事業者

スウェーデン語の AB は aktiebolag の略語で、株式会社を意味する。

その他


自治体関連

〔スウェーデン語〕kommun |〔英〕municipality

  • スウェーデンには290の自治体(わが国の市町村に相当する基礎自治体)がある。議員は選挙で選出され、議員のなかから運営理事会の理事が選出される。“運営理事長”が首長に相当する(首長が直接選挙で選ばれるのではなく、議員の中から選ばれる)。
  • 使用済燃料の処分場の立地選定に関与する自治体は、情報提供活動に関する費用を原子力廃棄物基金から賄うことができる。

エストハンマル自治体

〔スウェーデン語〕Östhammars kommun … ※スウェーデン語の発音では「ウストハンマル」に近い。

オスカーシャム自治体

〔スウェーデン語〕Oskarshamns kommun

  • SKB社の使用済燃料の集中中間貯蔵施設(CLAB)が存在する自治体。SKB社は、同施設に併設・一体化して「使用済燃料の封入施設」を建設する予定となっている。


広域連合体(=基礎自治体+県域自治体)

〔スウェーデン語〕Regionförbundet |〔英〕Regional Council

  • スウェーデンには20の「県域自治体」(スウェーデン語で landsting、英語では County Council)がある。議員は選挙で選出される。スウェーデンでは、「基礎自治体」と「県域自治体」は所掌する業務が異なり、両者に上下関係は存在しない。後者の主たる業務は広域医療(全体の90%)であり、他に県域レベルでの地元開発、交通、福祉などがある。(このような違いから、ここでは「県」ではなく「県域自治体」という呼び方をする。)
  • 県域を同じくする基礎自治体と県域自治体は、連携組織(フォーラム)としての県域連合(Regionförbundet)を形成している。
  • 使用済燃料の処分場の立地選定に関与する県域連合も、情報提供活動に関する費用を原子力廃棄物基金から賄うことができる。

ウプサラ県域連合

〔スウェーデン語〕Region Uppsala |〔英〕Region Uppsala

  • ウプサラ県域に属する8つの基礎自治体、県域自治体による連合体(エストハンマル自治体を含む)

カルマル県域連合

〔スウェーデン語〕Regionförbundet i Kalmar län |〔英〕Regional Council in Kalmar County

  • カルマル県域に属する12の自治体、県域自治体による連合体(オスカーシャム自治体を含む)


非営利団体(NPO)

原子力廃棄物基金からの活動費用の補助を受けている非営利団体には以下の3つがある。補助を受けるためには一定数以上の会員組織(当初は2,000人、その後1,000人以上に緩和)である必要があるため、それぞれは複数NPOの連合組織の形態である。

「原子力廃棄物レビューのためのNGO事務局」(MKG)

〔スウェーデン語〕Miljöorganisationernas kärnavfallsgranskning, MKG |〔英〕The Swedish NGO Office for Nuclear Waste Review

「スウェーデン環境運動の原子力廃棄物事務局」(Milkas)

〔スウェーデン語〕Miljörörelsens kärnavfallssekretariat, Milkas |〔英〕The Swedish Environmental Movement’s Nuclear Waste Secretariat

  • スウェーデンの反核運動組織(Folkkampanjen mot Kärnkraft och Kärnvapen)と、環境団体「地球の友」(Jordens Vänner, Friends of the Earth Sweden)が2004年に設立した非営利法人。高レベル放射性廃棄物に関係する各種プロジェクトを追跡して批判的にレビューするとともに、長期的で、かつ環境に良い(environmentally sound)ような最良の解決策が採られるように働きかけを行うことを目的としている。

「スウェーデン・再生可能エネルギー連帯」(SERO)

〔スウェーデン語〕Sveriges Energiföreningars Riksorganisation, SERO |〔英〕Swedish Renewable Energies Association

  • 1980年設立。国内で活用でき、環境影響が最小限となるような、エコサイクル内の再生可能エネルギーの利用推進を目標としている。特定の政党を支援せず、政治的には中立を標榜する非営利法人である。
フランス リンク集

フランス フランス

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フランスにおける高レベル放射性廃棄物処分の実施体制

国の機関

議会(国民議会[下院]・ 元老院[上院])

1958年に制定された第五共和国憲法のもと、大統領制と議院内閣制(2院制)を重ね合わせた構造となっている。大統領は、首相や閣僚の任命、下院の解散権等の権限を有する。一方で、議院内閣制の要素として、下院は不信任決議により政府を総辞職させる権限を持ち、議会による政府のコントロールが行われる(但し、政府に対する議会の権限には様々な制約がある)。議会は国民議会(下院)及び元老院(上院)の2院制であり、国民議会には大きな優位が認められている。政府の信任・不信任の手続きは国民議会にのみ認められており、また反対に、大統領が解散しうるのも国民議会のみである。予算法案審議に関する優先権も国民議会にあり、さらに両院一致を条件とする憲法改正の場合を除いて、国民議会が両院不一致の際の最終議決権を有する。


議会科学技術選択評価委員会(OPECST)

〔仏〕Office parlementaire d'évaluation des choix scientifiques et technologiques
〔英〕Parliamentary Office for the Evaluation of Scientific and Technological Choices

  • OPECST設置法(1983年制定)に基づき、議会の内部委員会として設置。上下院各18名の議員(政党別議員数に比例配分。計36名)で構成され、国会の決定に必要な情報を提供するために、科学技術的性格の選択の結果としての影響を検討して議会に報告する役割をもつ。OPECSTへの付託は、上院または下院の執行部、特別委員会または常任委員会が行う。
  • 地層処分事業におけるOPECSTの役割は、1991年管理研究法の枠内では15年にわたる3分野の管理研究成果の総括評価報告の審査を行う(議会へ提出される総括報告書の審査)、2006年管理計画法の枠内では、1)政府が3年毎に策定する国家放射性廃棄物管理計画及び国家評価委員会年次報告の提示を受けた後に公表する、2)地層処分場の設置許可申請プロセスにおいて設置許可申請書類の評価を行うことが規定されている。


行政組織

首相及び担当大臣のもとで各省庁が行政実務を執行する。フランスでは、内閣の交代に伴い、その大臣ポストや中央行政組織がダイナミックに再編される。2012年現在、放射性廃棄物政策に係る担当官庁は環境・持続可能開発・エネルギー省となっている。

中央政府

〔仏〕gouvernement

環境・エネルギー・海洋省

〔仏〕Ministère de l'Environnement, de l'Energie et de la Mer
〔英〕Ministry of the Environment, Energy and Marine Affairs


関連行政法人・公社

各省庁の行政機能のうち、特定の業務等を実施する組織として次の様な種類に分類される行政法人[EPA]や公社[EPIC]が存在する。両者の違いは概括的に次の様に整理できるが、個々の組織が実施する公益事業の内容と設立政令の基となる法律の違いによるものである。

商工業的性格を有する行政法人(EPA:etablissement public a caractere administratif)

  • 事業内容が、商工業分野以外であり、その公益性から私企業では運営しきれない業種である。
  • 行政的、財務的にかなりの自由裁量が認められているが、国、もしくは地方自治体の監督下に置かれている。
  • 公法に基づき管理されている。
  • 職員の身分は公務員もしくはそれに順ずる。

商工業的性格を有する公社(EPIC:etablissement public a caractere industriel et commercial)

  • 事業の内容が、販売活動、消費財の生産、もしくは役務提供であるが、その公益性から、自由市場による競争市場原理だけでは運営しきれない業種である。
  • 運営資金の殆どが、サービスを享受するものからの報酬による。
  • 組織、また事業運営の状況が一般私企業と似通っており私法に基づき管理されている。
  • 職員の身分:上記EPAの様な身分はなく一般の私企業と同等。

放射性廃棄物処分に関連するものとして、次のような組織が上記の「商工業的性格を有する公社(EPIC)」として設置されている。


原子力・代替エネルギー庁(CEA)〔→事業者-放射性廃棄物発生者を参照〕

放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)〔→安全規制当局を参照〕

フランス放射性廃棄物管理機関(ANDRA)〔→事業者-処分実施主体を参照〕



安全規制当局

原子力安全機関(ASN)

【安全規制機関】〔仏〕Autorite de surete nucleaire |〔英〕Nuclear Safety Authority

  • 2006年原子力安全・情報開示法に基づき、従来の原子力安全・放射線防護総局(DGSNR)と全国11ヵ所の地方原子力安全局(DSNR)を統括して新設された独立行政機関。ASNの役割は、原子力安全と放射線防護に関する規制機関としての活動に加え、原子力安全に関する国民の知る権利を担保するための情報公開に関する活動を実施することが同法で規定されている。
  • 2006年原子力安全・情報開示法による独立行政機関としてのASNの設置までの安全規制当局の変遷は次のとおりである。
    • 1973年~:原子力施設安全部(SCSIN)
    • 1991年~:原子力施設安全局(DSIN)
    • 2002年~:原子力安全・放射線防護総局(DGSNR)〔地方原子力安全局(DSNR)を含めてASNと称されていた〕
    • 2006年~:原子力安全機関(ASN)〔現在のASN〕
  • ASNは、デクレ(政令)で任命される5名の合議体で構成される。構成員は原子力安全及び放射線防護の諸分野における識者から選出され、3名(うち1名は議長)は共和国大統領が、他の2名は下院及び上院議長がそれぞれ任命する。
  • 実務を担うASNの総職員数は約450名(うち、約200名が11の地方事務所)であり、その約8割が専門知識を有する技術スタッフである。


放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)

〔仏〕L’institut de radioprotection et de surete nucleaire (IRSN)
〔英〕Institute for Radiation Protection and Nuclear Safety

  • ASNの安全規制関連活動に対して、放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)が技術的支援を実施。
  • 2002年のIRSN設置デクレ(政令)によって「商工業的性格を有する公社(EPIC)」として設置された。同設置デクレにより、原子力庁(CEA)とその前身である原子力安全防護研究所(IPSN)の分離、及び、後者と旧電離放射線防護局(OPRI)の合併が図られ、原子力安全及び放射線防護に関する「研究及び評価」のための機関として設置された。
  • IRSN設置デクレは、IRSNの役割を原子力安全等の分野における専門的評価及び研究の実施としており、具体的には下記事項を行うことを規定している(以下、主要なもの)。
    • 分析、計測、線量測定などの、専門的鑑定・評価、研究業務をフランス国内外の公共機関または民間機関向けに実施する。
    • 自らの事業分野における専門的鑑定評価に必要な専門的知見を維持・拡充する。
    • 医療従事者および職業被曝者の放射線防護における人材養成に貢献する。
    • 原子力安全・放射線防護総局(現在のASN)、国防に係る事業・施設に関する原子力安全・放射線防護代表委員、及び技術的支援を要請する国の当局および部局に技術的支援を供与する。


諮問委員会組織

国家評価委員会(CNE)

【諮問機関】
〔仏〕Commission nationale d’évaluation des recherches et études relatives à la gestion des matières et des déchets radioactifs
〔英〕National assessment board for research and the studies into the management of radioactive waste and materials

  • 1991年管理研究法の規定に基づき、政府の諮問機関として設置されている(1994年月に設置され同年3月より活動を開始)。2006年管理計画法でも同様の位置付けでの設置が規定されており、その評価対象(諮問分野)は従来の高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物の管理方策に係る各種調査研究の評価から、全ての放射性廃棄物の管理方策に係る調査研究を含む実施状況等の評価へと拡大されている。 【従前のCNEと識別するために“CNE2”と表記される場合がある】
  • 同委員会の構成員は12名であり(うち2名はフランス人以外とする)、議会、人文・社会科学アカデミー、並びに、科学アカデミーが提案する専門家で構成される。
  • CNEは、放射性物質及び放射性廃棄物の管理に関する研究・調査の進捗状況を毎年評価して年次報告書に取りまとめる(議会に提出)。更に、1991年管理研究法の枠内では15年にわたる3分野の管理研究成果の総括評価を行い、2006年管理計画法では地層処分場の設置許可申請プロセスにおいて設置許可申請書類の評価を行うことが規定されている。


原子力安全情報と透明性に関する高等委員会(HCTISN)

〔仏〕Haut Comite pour la Transparence et l'Information sur la Securite Nucleaire (HCTISN)

  • 2006年原子力安全・情報開示法に基づき設置される組織である。原子力活動に伴うリスクならびにこれらの活動の人への健康、環境、及び原子力安全に対する影響に関する情報提供や討論を行う組織であり、これらの分野におけるあらゆる問題、ならびにそれに関連する規制・監督体制及び情報提供について意見提示ができる(原子力安全に関するあらゆる問題に関して、関係各所からの付託をうける)。
  • 同委員会は、デクレ(政令)で任命する任期6年の委員で構成され、国会議員については4名、その他のカテゴリーのそれぞれについて5名と法律で規定されている。
  1. 下院が指名する下院議員2名及び上院が指名する上院議員2名
  2. 地域情報委員会(CLIS)の代表者
  3. 環境保護団体及び公衆衛生法典第L. 1114-1条にいう非営利団体の代表者
  4. 原子力活動について責任を負う者の代表者
  5. 代表的な従業員の組合団体の代表者
  6. 科学、技術、経済もしくは社会に係る、または情報提供及び情報公開に関する見識によって選任される学識経験者。うち3名は議会科学技術選択評価委員会、1名は科学アカデミー、1名は人文・社会科学アカデミーが指名。
  7. 原子力安全機関、国の関係部局及び放射線防護原子力安全研究所の代表者
  • 地域での情報提供等の活動促進の目的で設置される地域情報委員会(CLI)/地域情報フォローアップ委員会(CLIS)に対し、HCTISNは全国レベルでの同活動のための組織である。


事業者

放射性廃棄物管理機関(ANDRA)

【処分実施主体】
〔仏〕L’Agence nationale pour la gestion des déchets radioactifs (ANDRA)
〔英〕National Radioactive Waste Management Agency

  • 放射性廃棄物の長期管理業務を担当する組織として、1979年デクレ(政省令)によって当時の原子力庁(CEA)の一部門として設置。1991年管理研究法に基づき分離・公社化され、放射性廃棄物の長期管理を実施する責任を有する国内唯一の機関として設置(商工業的性格を有する公社、EPICとして設置)。
  • 2006年管理計画法により、放射性廃棄物管理業務(処分場の設計・運営業務や必要な調査・研究開発を含む)に加え、放射性廃棄物の管理コストの見積、基金の管理業務等の役割を新たに追加規定。


放射性廃棄物発生者(以下、主要な発生者)

フランス電力株式会社(EDF社)

AREVA社

原子力・代替エネルギー庁(CEA)

自治体関係

フランスは26の地域圏―フランス本土は22の地域圏(レジオン region)―に区分される。地域圏の下に、100の県(departement)があり、その下に約37,000の自治体(コミューン commune)がある。

ビュール地下研究所、地層処分候補サイトに関係する県
  • ムーズ県 Meuse departement … ロレーヌ地域圏の県
  • オート=マルヌ県 Haute-Marne departement … シャンパーニュ=アルデンヌ地域圏の県


公益事業共同体(GIP)

〔仏〕groupement d’interet public

Groupement d’intérêt public Objectif Meuse (GIP OM)
GIP HAUTE-MARNE

  • 1991年管理研究法及び2006年管理計画法により、地下研究所または地層処分場を有する県にGIPが設置される。ビュール地下研究所が、ムーズ県及びオート=マルヌ県の県境に位置するため、両県にそれぞれGIPが設立されている。
  • GIPには、国、地下研究所または地層処分場の設置許可保有者、施設の周辺区域にある州、県、市町村などが加入し、法律で規定される以下の役割(主に、地域振興に関連する事項)を地域が主体となって実施する。
    1. 地下研究所または地層処分場の設置及び操業の促進。
    2. 地下研究所または地層処分場の周辺区域などにおける国土整備及び経済開発事業の自県内での推進。
    3. 地下研究所内において研究されている諸分野及び新しいエネルギー技術分野などにおける、人材養成事業ならびに科学的技術的知見の開発、活用及び普及事業の推進。
  • 上記の地域振興に関連する施策の実施に関して、GIPにはその財源として、原子力基本施設(INB)に課税される連帯税及び技術普及税による税収の一部が割り当てられる。


地域情報フォローアップ委員会(CLIS)

〔仏〕Le comité local d’information et de suivi (CLIS)

CLIS du Laboratoire Bure

  • 2006年原子力安全・情報開示法は、100万kW以上の原子力発電所或いは火力発電所、使用済燃料の再処理プラント、大規模な水力発電所、天然ガスの地下貯蔵施設等の設置地域に、情報提供、協議に関する全般的な使命を担う地域情報委員会(CLI)の設置を規定している。同法制定以前は、1981年の首相通達に基づきCLIが設置されており、CLIの設置義務はないが、ほとんどの原子力施設の立地地域に設置されている(原子力発電所については全てのサイトで設置、オーブ処分場にも設置されている)。
  • 上記の一方で、原子力基本施設ではない地下研究所の設置地域において同様の機能を有する組織設置の法的根拠はない。そのため、1991年管理研究法では、地下研究所の設置地域において、上記CLIと同等の機能を有する、地域情報フォローアップ委員会(CLIS)の設置を規定している。CLISの設置は2006年管理計画法でも踏襲され、地下研究所のみならず将来の地層処分場も設置対象とされている。

全国地域情報委員会連合(ANCCLI)

〔仏〕Association Nationale des Comités et Commission Locales d'information, ANCCLI

  • 全国35の地域情報委員会(CLI)の連合組織。ビュールCLISも参加している。



米国 リンク集

米国 米国(アメリカ合衆国)

米国における高レベル放射性廃棄物処分の実施体制

国(アメリカ合衆国連邦政府)の組織

〔英〕Federal government of the United States
米国は大統領制であり、連邦政府には立法府、行政府、司法府が含まれる。

立法府(連邦議会)

連邦議会は、上院と下院による二院制を取っている。また、民主党と共和党による二大政党制となっているが党首が存在せず、上院の院内総務(floor leaders)である上院多数党院内総務、上院少数党院内総務が党の実質的なトップと位置付けられている。
https://www.senate.gov/reference/glossary_term/floor_leaders.htm

行政府

〔英〕The Executive Branch
行政府は、大統領、副大統領、大統領府(ホワイトハウス)、行政長官で構成される。


エネルギー省 (DOE)

【処分実施主体】 〔→事業者〕
〔英〕United States Department of Energy

  • 閣僚を長とする省。
  • 1977年のDOE設置法に基づいて設置。
  • エネルギー技術の研究・開発・実証、省エネルギー、原子力の平和利用と軍事利用、エネルギー生産と消費の規制、石油の価格設定と配分、エネルギー・データの中央収集・分析プログラムなどを担当している。エネルギー省は、エネルギー生産による影響を最小限に抑えるための基準を設定することによって、米国の環境を保護する役割を担っている。例えば、エネルギー省では、エネルギー関連の汚染物質とそれが生物系に及ぼす影響の調査など、環境・衛生関連の研究を行っている。
  • 処分実施主体としての役割については事業者セクションを参照のこと。


米国の原子力の将来に関するブルーリボン委員会

〔英〕Blue Ribbon Commission on America’s Nuclear Future

  • エネルギー長官が2010年1月に設置。放射性廃棄物管理を含むバックエンド政策の代替案を検討し、2012年1月26日に最終報告書を取りまとめ、公表した。


連邦エネルギー省(DOE)の主な国立研究所


連邦機関・委員会

〔英〕Federal Agencies and Commissions

  • 連邦機関・委員会には、行政府に属する各省の他、法律に基づいて設置された独立機関がある。このうち、原子力に係る独立機関としては、環境保護庁(EPA)、原子力規制委員会(NRC)、放射性廃棄物技術審査委員会(NWTRB)などがある。


原子力規制委員会(NRC)

【規制機関】 U.S. Nuclear Regulatory Commission (NRC)

組織の概要

  • 1974年エネルギー再編成法に基づいて設置された独立機関。
  • NRCのトップは、大統領が指名し、連邦上院が承認した5名の委員である。大統領は、委員のうちの1名を委員長に指名する。
  • 公衆の健康、安全、環境、国家安全保障、反トラスト法と整合性が取れた方法で、原子力の民間利用が実施されることを確実にすることを目的とする。

一般的な役割

  • 許認可に必要な規則、基準を策定する。
  • 放射性廃棄物処分場を含む民間原子力施設の建設、操業、廃止措置の許認可発給等を行う。
  • 民間の核物質の所有・利用・処理・輸出の許認可発給等を行う。
  • 安全に関する研究を実施する。

高レベル放射性廃棄物処分での役割

  • 許認可前活動として、サイト特性調査計画の審査、放射性物質使用の同意等を行う。
  • 処分場に係る許認可に必要な規則、基準を策定する。
  • 処分場の建設、操業、解体・閉鎖の許認可の審査、発給を行う。


放射性廃棄物技術審査委員会(NWTRB)

【諮問機関】 U.S. Nuclear Waste Technical Review Board

  • 1982年放射性廃棄物政策法(1987年修正)により設置された諮問機関(独立機関)。
  • 高レベル放射性廃棄物処分に係る助言・勧告を連邦議会、エネルギー長官に行う。


環境保護庁(EPA)

【規制機関】 U.S. Environmental Protection Agency

組織の概要

  • 1970年のEPAを中心とした省庁再編成計画により設置された独立機関。
  • 調和のとれた有効的な環境に関する政府の措置を実現することを目的とする。

一般的な役割

  • 人間の健康の防護及び空気・水・土地等の自然環境の保護のため、国家計画及び政策の策定、規制、基準策定を行う。
  • 放射線防護計画を有する州・政府機関への技術的支援を行う。

高レベル放射性廃棄物処分での役割

  • ユッカマウンテンでの処分を除く高レベル放射性廃棄物処分一般に適用する環境基準の策定。
  • ユッカマウンテンでの処分に適用する放射線防護基準の策定を行う。


全米学術機関

全米科学アカデミー(NAS)

National Academy of Sciences (NAS)

  • 1863年以来、政策立案に係る科学・技術に関する勧告などを行っている。
  • 高レベル放射性廃棄物処分に関しては、放射性廃棄物技術審査委員会(NWTRB)の委員候補者の指名、ユッカマウンテン・サイトに関する環境保護基準の策定のために環境保護庁(EPA)に勧告を行うことが法律に規定されている。


事業者

エネルギー省 (DOE)

【処分実施主体】〔英〕United States Department of Energy

  • 1982年放射性廃棄物政策法において、高レベル放射性廃棄物の処分実施は連邦政府の責任とされており、エネルギー長官が使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物を引き取ることとなっている。1982年放射性廃棄物政策法で規定されたエネルギー長官の職務を行うため「民間放射性廃棄物管理局」(OCRWM)が設置された。
  • 具体的なエネルギー長官の職務には、サイト特性調査のための候補地の大統領への推薦、サイト特性調査の実施、処分地の大統領への推薦(環境影響評価を含む)、建設認可に係る許認可申請書の原子力規制委員会(NRC)への提出などが含まれる。
  • 2011会計年度のエネルギー省(DOE)の予算要求資料において、OCRWMを閉鎖し、その後はDOEの原子力局(NE)が関連業務を引き継ぐこととされている。

民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)

〔英〕Office of Civilian Radioactive Waste Management

 ユッカマウンテンに関するエネルギー省(DOE)関係文書 は以下の同省のホームページから入手できます。
 Yucca Mountain Archival Documents From the Former Office of Civilian Radioactive Waste Management
  • 処分場の立地、建設及び操業を行う。
  • 処分の研究開発、実証を行う。
  • 放射性廃棄物基金のための処分費用の計算、拠出金の額の妥当性評価を行う。

原子力局(NE)

州・自治体関連

ネバダ州

〔英〕State of Nevada

ネバダ州 原子力プロジェクト局

ナイ郡 放射性廃棄物処分プロジェクト局

ユーレカ郡 放射性廃棄物局

スイス リンク集

スイス スイス

ドイツ語のリンクはドイツ語のホームページに、英語のリンクは英語でのページにリンクするようにしています。

スイスにおける高レベル放射性廃棄物処分の実施体制

国の組織

連邦評議会

〔独〕Schweizerischer Bundesrat, 〔英〕Swiss Federal Council

  • 連邦における最高の指導的・執行的官庁であり、7名の大臣から構成される。スイスの連邦政府は議会統治制(議院内閣制とは異なる)であり、連邦議会が行政機関としての政府の機能をもつ。連邦評議会(連邦参事会とも訳される)は内閣に相当するが、議会による不信任、連邦評議会による議会の解散などはない。


放射性廃棄物管理ワーキング・グループ(AGNEB)

〔独〕Arbeitsgruppe des Bundes für die nukleare Entsorgung (AGNEB)
〔英〕Swiss Federal Workgroup for Nuclear Waste Disposal

  • 1978年に連邦評議会(連邦政府)が設置した作業部会。連邦原子力安全検査局(ENSI)、連邦エネルギー庁(BFE)、連邦保健庁(BAG)、連邦環境庁(BAFU)、連邦国土計画庁(ARE)及びswisstopo(国土地理院)の各連邦機関からの代表、並びにPSI(パウル・シェラー研究所)の代表から構成される。


環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)

連邦エネルギー庁(BFE)

〔独〕 Bundesamt für Energie (BFE)
〔英〕 Swiss Federal Office of Energy (SFOE)

  • UVEK内のOffice (局) 。スタッフは155名。エネルギー政策の立案、関連法令や特別計画の整備、推進を行う。原子力分野については、許認可の手続き・発給の業務を行う。


原子力安全委員会(KNS)

〔独〕〕Eidgenössische Kommission für nukleare Sicherheit (KNS) | 〔英〕Federal Nuclear Safety Commission (NSC)

  • 連邦エネルギー庁(BFE)の常設諮問機関。2008年1月設置。常設の諮問機関として、連邦評議会、UVEK等の原子力の規制に係る機関に対して、原子力施設の安全性に関する問題について見解等を表明する。現在の委員数は、委員長を含め7名。


連邦原子力安全検査局(ENSI)

【規制機関】 〔独〕Eidgenössisches Nuklearsicherheitsinspektorat (ENSI) |〔英〕Swiss Federal Nuclear Safety Inspectorate

  • 2009年1月発足。原子力法や国際条約の規定に従い、BFEの下にあった「原子力施設安全本部」(HSK)をBFEから分離し設置されたもの。職員数は約120名であり、行政機構としてはUVEKの監督下にある。


地層処分場専門家グループ(EGT)

〔独〕Expertengruppe Geologische Tiefenlagerung (EGT) |〔英〕Expert Group on Nuclear Waste Disposal

  • 特別計画「地層処分場」の規定に従い、2012年に設置された。UVEKの諮問組織であった 放射性廃棄物管理委員会(KNE)の後継組織である。EGTは、地層処分場に関する地球科学的問題及び建設技術的な問題でENSIを支援する。事務局はENSIが担当している。


連邦が設立している研究機関等

  • パウル・シェラー研究所(PSI)
    • スイス連邦憲法において教育は州政府の所管事項であるが、連邦レベルでも連邦工科大学(die Eidgenössischen Technischen Hochschulen, ETH)を設置することになっている。連邦が設置した一群の大学や研究機関は「ETH部門」と呼ばれており、連邦内務省(EDI)が所管し、連邦政府の予算によって運営されている。PSIは、このETH部門に属する研究所の一つである。
  • スイスの連邦官庁を構成する7の省のうちの一つである、国防・市民防衛・スポーツ省(VBS)に属する、土地の測量や地図の作成等に関する業務を行う専門機関。職員数は約320名。
  • モン・テリ岩盤研究所
    • 1996年にスイス国立水文学・地質調査所が中心となる形で設置された研究所。現在は国土地理院が管理している。ジュラ州にあり、自動車道トンネルと平行する形で研究坑道がある。


事業者

放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)

【処分実施主体】〔独〕Nationale Genossenschaft für die Lagerung radioaktiver Abfälle
〔英〕National Cooperative for the Disposal of Radioactive Waste

  • スイスの電力会社、並びに医療・産業・研究分野から発生する廃棄物に対して責任を有する連邦政府が、1972年に設立した共同組合。

電力会社


州・自治体など


特別計画「地層処分場」の第1段階で確定した
3カ所の地質学的候補エリア

(高レベル放射性廃棄物の処分場の地質学的候補エリア)

地質学的候補エリア名 面積
チューリッヒ北東部 約50km2
北部レゲレン 約64km2
ジュラ東部 約27km2


州(カントン)

〔独〕Kanton |〔英〕Canton

スイスは26の州によって構成される連邦制国家であるが、その内7つの州の領域内に、放射性廃棄物の地層処分場の6カ所の地質学的候補エリアが存在している。以下に示すのは、それらの7つの州のウェブサイトである。


地域会議

〔独〕Regionalkonferenz |〔英〕regional conference

特別計画「地層処分場」は、サイト選定手続きの中で地域参加プロセスを進めていくことを規定している。地域参加プロセスを具体的に進めるために、地質学的候補エリアでは「地域会議」が開催されているが、以下のウェブサイトに、地域会議に関する情報が掲載されている。

ドイツ リンク集

ドイツ ドイツ

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ドイツにおける高レベル放射性廃棄物処分の実施体制

連邦組織

議会(ドイツ連邦議会[下院]・ 連邦参議院[上院])

ドイツ連邦共和国の国会は二院制であり、連邦議会と連邦参議院がある。連邦参議院は直接選挙で選出されるのではなく、州が代表を送って構成される。



連邦政府

〔独〕Bundesregierung |〔英〕Federal government



連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)

〔独〕Bundesministerium für Umwelt, Naturschutz, Bau und Reaktorsicherheit (BMUB)
〔英〕Federal Ministry for the Environment, Nature Conservation, Building and Nuclear Safety

  • 連邦政府において、原子力安全、放射線防護、環境関連全般を担当する省。
    (2013年12月発足の政権での省庁改編により、連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)から名称変更)
  • 原子力法によって放射性廃棄物処分場の設置責任は連邦政府にあると規定されている。

【諮問機関】


連邦放射性廃棄物処分安全庁(BASE)

【規制機関】〔独〕 Bundesamt für die Sicherheit der nuklearen Entsorgung (BASE)
〔英〕Federal Office for the Safety of Nuclear Waste Management

  • 当初2014年9月に「連邦放射性廃棄物処分庁」(BfE, Bundesamtes fürkerntechnische Entsorgung)として設置。処分場サイト選定手続き全体の監督・調整を担う。サイト決定後は、放射性廃棄物処分に関する規制当局として、実施主体に対する監督を行う。
  • 2016年7月8日成立の「最終処分分野における組織体制刷新のための法律」に基づき、名称が「連邦放射性廃棄物処分安全庁」(BfE, Bundesamt für kerntechnische Entsorgungssicherheit)に変更
  • 2019年12月の法改正により、名称が「連邦放射性廃棄物処分安全庁」(BASE)に変更


連邦放射性廃棄物機関(BGE)

【処分実施主体】〔独〕Bundesgesellschaft für Endlagerung (BGE)
〔英〕Federal company for radioactive waste disposal

  • BMUBの監督下にある100%国有の有限会社として設立されており、原子力法に基づいて、連邦政府の委託を受けて放射性廃棄物処分場の設置・操業を行う。
  • 2017年4月25日に、連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)傘下の連邦放射線防護庁(BfS)が担っていた放射性廃棄物処分の実施主体としての役割を継承して活動開始。
  • 2017年12月20日に、BGE はドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社(DBE社)及びアッセ有限会社を統合し、BGEを実施主体とする新たな放射性廃棄物処分の実施体制に係る組織再編が完了した
BGEが管理している処分場など
  • コンラッド処分場 Endlager Konrad
  • アッセII研究鉱山 Schachtanlage Asse II
  • モルスレーベン処分場 Endlager Morsleben
  • ゴアレーベン処分候補地 Erkundungsbergwerk Gorleben


連邦中間貯蔵機関(BGZ)

〔独〕BGZ Gesellschaft für Zwischenlagerung mbH
〔英〕(Company for radioactive waste storage)

ドイツでは、2016年12月に成立した「原子力発電所運転者からの放射性廃棄物管理の資金及び実施に係る義務の移管に関する法律」(以下「義務移管法」という)に基づいて、今後2020年1月までに、放射性廃棄物の中間貯蔵の実施義務を、従来の原子力発電事業者から連邦政府に段階的に移管する方針である。使用済燃料や放射性廃棄物の処分前に行われる中間貯蔵は、連邦政府が100%所有する私法上の組織が実施することになっている。

ドイツ連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)及び原子力サービス社(GNS社)は、2017年8月1日付で、ゴアレーベン及びアーハウスの使用済燃料等の集中中間貯蔵施設が連邦政府に移管されるとともに、GNS社が所有していた連邦中間貯蔵機関(BGZ)の株式が連邦政府に無償譲渡されることにより、BGZが100%連邦政府所有の組織となっている。これに伴い、ゴアレーベン及びアーハウスの集中中間貯蔵施設やGNS本社で中間貯蔵業務に従事していた約150名の従業員もBGZに移籍した。

さらに、今後は、義務移管法に基づいて、以下の中間貯蔵施設が連邦政府に移管される予定である。

  • 2019年1月1日までに連邦政府に移管:原子力発電事業者が各原子力発電所内に設置している使用済燃料等の中間貯蔵施設12カ所
  • 2020年1月1日までに連邦政府に移管:原子力発電事業者が各原子力発電所内に設置している原子力発電所の運転・廃止措置に伴って発生する放射性廃棄物の中間貯蔵施設12カ所


連邦放射線防護庁(BfS)

〔独〕Bundesamtes für Strahlenschutz (BfS)
〔英〕Federal Office for Radiation Protection

  • 放射線防護、通信機器の電磁波対策などの規制業務、放射性廃棄物の処分・輸送業務の実施のために1989年に設立された。
  • BGEが活動を開始する以前は、連邦政府が設置する責任を有する放射性廃棄物処分場の建設・操業の実施主体であった。
  • BGEの設立以降は、放射線防護・原子力防災に関する専門官庁として存続している。


連邦経済・エネルギー省(BMWi)

連邦教育・研究省(BMBF)

カールスルーエ工学研究所(KIT)

〔独〕Karlsruher Institut für Technologie (KIT) |〔英〕Karlsruhe Institute of Technology (KIT)

  • カールスルーエ研究センター(FZK)とカールスルーエ大学が合併して2009年10月1日に設立された。
  • 旧カールスルーエ原子力研究所(KfK)に設置されていたカールスルーエ再処理プラント(WAK)での再処理から発生した高レベル放射性廃液を処理するガラス固化施設(VEK)が操業されていた。

連邦地球科学・天然資源研究所(BGR)

〔独〕Bundesanstalt für Geowissenschaften und Rohstoffe (BGR)
〔英〕Federal Institute for Geosciences and Natural Resources



事業者

ドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社(DBE社)

〔独〕Deutsche Gesellschaft zum Bau und Betrieb von Endlagern für Abfallstoffe mbH (DBE)
〔英〕German Company for the Construction and Operation of Waste Repositories

  • 2017年12月20日に、DBE社はアッセ有限会社とともに 連邦放射性廃棄物機関(BGE)へ統合
  • ドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社(DBE社)は、連邦放射線防護庁(BfS)が有する放射性廃棄物処分場の建設・操業等の業務実施を委託する民間会社である。原子力発電所を保有する電力会社が株主となっている原子力サービス社(GNS社)が75%、ノルト・エネルギー社(EWN 社:旧東独系)が25%を出資している
  • DBE社は、1979年に連邦政府系機関の出資で設立された有限責任会社(mbH)であるが、現在は連邦政府機関からの出資はない。


原子力サービス社(GNS社)

〔独〕Gesellschaft für Nuklear-Service (GNS) mbH |〔英〕GNS

  • GNS社は、輸送容器の供給社、放射性廃棄物の処理、原子力施設のエンジニアリング、建設、廃止措置などを行う民間会社である。
  • 原子力発電所を所有する電力会社が株主となっている。GNS社は、DBE社株式の75%を所有する。


施設・原子炉安全協会(GRS)

〔独〕Gesellschaft für Anlagen- und Reaktorsicherheit (GRS) mbh |〔英〕GRS

  • 株式の46%を国(連邦)が保有。受託契約に基づき活動しており、主要顧客はBMU、BMWA、BfS、BMBF。
  • BMUの委託を受けて、ゴアレーベン処分候補地の予備的安全評価を実施している。


電力会社


州及び自治体

州の管轄官庁
… 「連邦委任行政」と呼ばれるドイツ特有の制度により、連邦を構成する州(Land)に原子力施設の許認可発給権限が委任されている。



英国 リンク集

英国 英国(イギリス)

英語のリンクは英語でのページにリンクするようにしています。

イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドから構成される立憲君主制国家(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)

英国における高レベル放射性廃棄物処分の実施体制
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英国(=UK)の組織

英国議会

二院制(下院・上院)

  • 連合王国を構成するイングランド、ウェールズ、北アイルランド、スコットランドはいずれも英国議会に代表を送っている。
  • 英国議会が最高議会であるが、権限委譲行政機関(devolved administrations)であるウェールズ、北アイルランド、スコットランドも、それぞれ独自の議会を持っている。なお、イングランドに対する権限委譲は行われていない。

英国政府

UK Government

  • 立憲君主制及び議院内閣制を採用しており、首相は下院で第一党になった党首が、国王の任命により選出され、閣僚は首相の推薦によって国王が任命する。内閣は、首相を筆頭に約20名の閣僚で構成された政府の最高意思決定機関である。
  • 英国では、閣議の負担軽減及び効率良く意思決定を行うため、関係閣僚が少人数で政策を検討する内閣委員会が設置されている。内閣委員会での決定は、閣議決定と同様の権威を持つ。


政府行政機関(省)

Departments of the United Kingdom Government

  • 英国の省は、英国政府の行政を担うほか、 スコットランド政府ウェールズ議会政府北アイルランド行政府が担うべき行政機能の一部も行う性質から、行政機能を実現する実務組織は 予算管理の目的のために区分され、別個に運営されている。「省」の外部実務組織(外郭団体)の形式には、「政府外公共機関」(Non-Departmental Public Body, NDPB)や「公共団体・公法人」(Public Corporations) などがある。
  • このセクションでは、放射性廃棄物処分に関係する省を示し、各省が所管する「政府外公共機関」は別セクションにまとめている。

エネルギーセキュリティ・ネットゼロ省(DESNZ)

〔英〕 Department for Energy Security & Net Zero

ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)…2023年廃止

〔英〕 Department for Business, Energy and Industrial Strategy(BEIS)

  • BEIS existed until 2023 when it was split to form the Department for Business and Trade (DBT), the Department for Energy Security and Net Zero (DESNZ) and the Department for Science, Innovation and Technology (DSIT). Responsibility for national security and investment policy has gone to the Cabinet Office.
  • エネルギー政策分野を所管していた旧DECC(エネルギー・気候変動省)と、旧BIS(ビジネス・イノベーション・職業技能省)の産業戦略分野を統合して、2016年7月に設立。DECCの所掌であった原子力分野の監督権限はBEISに移管された。
  • 英国政府は、2001年から政策プログラムManaging Radioactive Waste Safely (MRWS)(放射性廃棄物を安全に管理する)を実施している。BEISはこの担当省として、放射性廃棄物の管理及び方針の決定、地層処分場のサイト選定プログラムの実施、ステークホルダーとの連携などに対する責任を有する。
  • BEIS所管の政府外公共機関(NDPB)(放射性廃棄物処分に関係するBEISの外部組織)
    • 原子力廃止措置機関(NDA) … 所有する原子力施設の操業・廃止措置の他、放射性廃棄物処分の実施主体
    • 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM) … 放射性廃棄物の管理等に関する政府の諮問機関


環境・食糧・農村地域省(DEFRA)

〔英〕Department for Environment, Food and Rural Affairs (DEFRA)

  • DEFRAは当初、英国政府が2001年から開始した政策プログラム“Managing Radioactive Waste Safely (MRWS)”の担当省であり、放射性廃棄物の管理及び方針に関する責任を有していた。
  • 2008年10月の省庁再編により、原子力分野の監督権限は旧DECC(エネルギー・気候変動省)に移管されたが、2016年7月の省庁再編により、ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)に移管されている。
  • DEFRAは環境政策を所掌している。英国では、放射性廃棄物の処分(特に、処分場の閉鎖後における規制)は環境規制で扱われるため、この面からの監督権限はDEFRAに残っている。


政府外公共機関

Non-Departmental Public Body (NDPB)

  • 「政府外公共機関」(NDPB)は、所管省の行政機能を実現する実務組織として省の外部に設置されている組織の総称である。当該NDPBの活動に予算措置を行う所管省が議会に対する説明責任をもつ。「政府外公共機関」(NDPB)には、以下のような種類がある。
    • 執行型 (Executive NDPB):法令に基づいて設置され、行政管理、商業目的または規制機能を実施する。
    • 諮問型 (Advisory NDPB):特定事項について、独立・専門的な助言を大臣に提供する。
    • 法廷型 (Tribunal NDPB):特別な司法領域において、法的行為を行う。
      ※刑務所、入国審査局に対する監視を行う、独立監視委員会(Independent Monitoring Board)もNDPBに含まれる。

放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)

【諮問機関】〔英〕Committee on Radioactive Waste Management

  • 英国政府及び自治政府に助言を与える諮問機関。地層処分の具体化に向けた実施計画を独立に精査する役割を持つ。
  • CoRWMは当初、英国政府が2001年から開始した政策プログラムManaging Radioactive Waste Safely (MRWS)において、高レベル放射性廃棄物等の長期的管理方針を公開討論を通じて勧告する目的の委員会として2003年に設置された。委員長を含む13名の委員は、公募によって選出された。
  • 2006年にCoRWMが英国政府への勧告文書を取りまとめた後、英国政府は、旧放射性廃棄物管理諮問委員会(RWMAC)を継承する諮問機関として2007年にCoRWMを再編し、現在に至っている。CoRWMは、ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)が所管するが、同省の外部に設置されている諮問機関(政府外公共機関〈諮問型〉)である。
  • 2007年再編後のCoRWMは15名の委員から構成され、英国政府及び自治政府が任命する。


原子力規制局(ONR)

【規制機関】〔英〕Office for Nuclear Regulation

  • 新たな独立した規制当局を設置するという英国政府の方針に基づき、関係法令が整うまでの過渡的な措置として、2011年4月に保健安全執行部(HSE)の内部組織として原子力規制局(ONR)が設置された。
  • HSE配下の旧原子力施設検査局(NII)が担当していた原子力施設の原子力安全、放射線安全に関する規制機能を継承したほか、運輸省(DfT)管轄であった放射性物質輸送に関する規制機能を担当(2011年10月から継承)している。
  • 2013年エネルギー法に基づいて、2014年4月1日に原子力規制局(ONR)は、労働年金省(DWP)所管の政府外公共機関(NDPB)である保健安全執行部(HSE)から分離され、労働年金省所管の独立した公法人(statutory Public Corporation)に移行した。
  • 原子力規制局(ONR)は、1965年原子力施設法に基づいて、原子力施設の立地の前提となる「原子力サイト許可」を発給する。
  • 〔参考〕原子力規制局の目標・目的 – Aims and objectives(英文)

参考

保健安全執行部(HSE)

〔英〕 Health and Safety Executive

  • 労働年金省(Department for Work and Pensions, DWP) 所管の政府外公共機関〈執行型〉。2011年4月の原子力規制局(ONR)の設置以前では、HSE配下の原子力施設検査局(NII)を通じて、原子力施設の原子力安全、放射線安全及び労働安全を規制・監督していた。ONR設置に伴い、NIIは廃止されている。
  • 2007年4月より、民間原子力安全保障局(OCNS)及び、当時の貿易産業省(DTI)所管していた保障措置関連の業務がHSEに移管されている。


原子力廃止措置機関(NDA)

【処分実施主体】 〔→事業者

  • 2004年エネルギー法に基づき、2005年に設立。原子力施設の廃止措置及びサイトのクリーンアップとそのための資金確保、原子力施設の管理、放射性廃棄物及び非放射性廃棄物の安全管理、政府の方針に基づいた核物質の長期管理、低レベル放射性廃棄物に関する戦略及び計画の策定などの役割を担う。
  • ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)所管の政府外公共機関〈執行型〉。
  • NDAの戦略及び年次計画は、国務大臣及びスコットランドの大臣の承認を得る必要がある。
  • 処分実施主体としての役割については事業者セクションを参照のこと。


環境規制機関(EA(イングランド所管))

【規制機関】〔英〕Environment Agency

  • 環境・食糧・農村地域省(DEFRA)所管の政府外公共機関(執行型)。イングランドの環境規制当局。
  • 空気、水(地表水及び地下水)、土地への放射能の放出と放射性廃棄物処分を許可及び管理することによって、持続可能な開発に関連して環境保護を目的とした特定の法律及び規制を行う役割を担う。
  • イングランドとウェールズについては、「環境許可(イングランドとウェールズ)(改正)規則2011」の下で放射性廃棄物処分の規制を実施している。なお、スコットランド及び北アイルランドについては、「放射性物質法(RSA93)(2011 年改正)」に基づく規制が行われている。
権限委譲行政機関(devolved administrations)が設置している 環境規制当局

放射性廃棄物の処分地が、ウェールズ、スコットランドまたは北アイルランドとなる場合には、各自治政府が設置している環境規制当局の管轄となる。



事業者

原子力廃止措置機関(NDA)

【処分実施主体】〔英〕Nuclear Decommissioning Authority

  • 2006年放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)の勧告文書「高レベル放射性廃棄物等の長期管理計画」に対する回答の中で、英国政府はNDAを地層処分の実施主体とすることを決定した。2007年4月に、放射性廃棄物の長期管理オプションの開発支援を行っていたNirex社の有する能力及び知的財産を維持・活用するため、NDAと統合し、NDA内に放射性廃棄物管理局(RWMD)を設置した。
  • NDAの地層処分での役割は、高レベル放射性廃棄物等の地層処分場の計画立案や開発のほか、地層処分以外の方法で処分する放射性廃棄物の全体計画立案などを実施することである。

放射性廃棄物管理会社(RWM社)

〔英〕Radioactive Waste Management Limited

  • 2014年4月1日に、NDAの内部部局であった放射性廃棄物管理局(RWMD)が分離され、NDAの100%子会社の放射性廃棄物管理会社(RWM社)が設立された。将来的には、地層処分を実施するサイト許可会社になる予定。
    ※サイト許可会社(Site Licence Company)とは、1965年原子力施設法に基づいて原子力規制局(ONR)より原子力サイト許可を受ける者である。実際的には、NDAが所有する原子力施設の操業・廃止措置等をNDAとの契約に基づいて実施する。

ニュークリアウェイストサービス(NWS)

  • 2022年1月末、NDAはRWM社とLLWR社(低レベル放射性廃棄物処分場を管理・運営する会社)を経営統合した組織《ニュークリアウェイストサービス》(NWS)を設立し、英国の放射性廃棄物マネジメント機能を統合。現在、NWS は法人格を有していないが、将来的に単一の法人に移行する予定。 https://www.gov.uk/government/organisations/nuclear-waste-services


原子力発電事業者など

EDFエナジー社

EDF Energy

  • 運転中の8基の原子炉を所有している。その内、改良型ガス冷却炉(AGR)が7基、加圧水型軽水炉(PWR)が1基である。
  • 旧ブリティッシュエナジー(BE)社をフランスのEDF社が2009年に買収し、現在の社名となった。



自治体関連

2018年12月開始のサイト選定プロセスにおいて、コミュニティパートナーシップの設立に至ったケース

2023年4月1日 カンブリア州 → Cumberland Council と Westmorland and Furness Council に分離。二層制から一層制に変わった。コープランド市、アラデール市、カーライル市は Cumberland Council にまとまり、他の3市は Westmorland and Furness Council にまとまった。

英国イングランドにおけるサイト選定プロセスに関心のある地域


旧情報


西カンブリア放射性廃棄物安全管理パートナーシップ

〔英〕West Cumbria Managing Radioactive Waste Safely Partnership (www.westcumbriamrws.org.uk)

  • サイト選定プロセスへの参加是非を判断するための材料を各自治体(アラデール市、コープランド市、カンブリア州)に提供する助言組織。カンブリア州内の市議会及び地方議会連合、全国農業者連盟(NFU)、地方労働組合などで構成されている。
  • パンフレットの配布やワークショップを開催して、地域住民に地層処分に関連した情報提供を行っている。
  • このパートナーシップは、自治体がサイト選定プロセスへの参加を決定した後に設立される予定の「地域立地パートナーシップ」とは異なる位置付けのものである。
カナダ リンク集

カナダ カナダ

カナダにおける高レベル放射性廃棄物処分の実施体制

国の組織

カナダ政府〔英〕Government of Canada

カナダは10州と3準州から構成される。立憲君主制であり、英国型の議院内閣制で連邦主義が取られている。元首は英国の国王または女王であり、カナダ国内では総督(Governor General)が代行を務める。連邦政府には立法府、行政府、司法府が含まれる。なお、カナダの地方制度は、連邦発足当初より、連邦議会によってではなく州議会によって定められている。地方制度に関して州が固有の立法権を持つため、カナダという国家レベルで統一された地方制度が存在しないことを意味する。

行政府は、首相、内閣、各省庁などから構成される。高レベル放射性廃棄物の処分に関係する天然資源省(NRCan)、規制機関であるカナダ原子力安全委員会(CNSC)、発生者であるカナダ原子力公社(AECL)は、すべて行政府に含まれる。


天然資源省(NRCan)

〔英〕Natural Resources Canada (NRCan)

  • カナダでは連邦政府が原子力を管轄しており、天然資源省(NRCan)が原子力政策を担当している。

核燃料廃棄物局(NFWB)

〔英〕Nuclear Fuel Waste Bureau(NFWB)

  • 2002年11月15日の「核燃料廃棄物の長期管理に関する法律」(核燃料廃棄物法)の発効に時期を合わせて、核燃料廃棄物管理の全般的な監督を行う「核燃料廃棄物局」(NFWB)が天然資源省(NRCan)の内部に創設された。


カナダ原子力安全委員会(CNSC)

【規制機関】 〔英〕Canadian Nuclear Safety Commission (CNSC)

組織の概要

  • カナダ原子力安全委員会(CNSC)は、 原子力安全管理法に基づいて2000年に創設された。1946年に設立された原子力管理委員会(AECB)は、カナダ原子力安全委員会(CNSC)により置き換わっている。
  • CNSCは、総督によって任命される7人までの常任委員から構成される委員会決裁機関(Commission Trubunal)と、実務スタッフ(約800名)から構成される。総督は常任委員のうちの1名を委員長に指名することとなっている。

一般的な役割及び目的

  • 原子力の開発、生産、利用、並びに核物質、特定の装置、特定の情報の生産、所有、利用を規制する。
  • 原子力の開発・利用に関連して、環境、個人の健康及び安全に対する不当なリスクを防止する。
  • 原子力の開発・利用に関連する国家安全保障に対する不当なリスクを防止する。
  • 委員会の活動、原子力の開発・利用の環境、個人の健康及び安全に対する影響に関して、客観的な科学・技術・規制情報を公衆に普及する。


カナダ原子力公社(AECL)

〔英〕Atomic Energy of Canada Limited

カナダ政府が全ての株式を所有する国営企業であり、1952年に設置された。AECLは約60年間にわたって CANDU炉の開発、原子力の基礎・応用研究を行ってきたが、2011年10月にCANDU炉開発部門が Candu Energy Inc.に売却された。


連邦環境省(EC)

〔英〕Environment and Climate Change Canada
http://www.ec.gc.ca

  • 有毒物質によるリスクから環境並びに人間の生命及び健康を保護するために、汚染防止による“持続可能な開発”に貢献する。カナダ環境保護法(CEPA)の執行を所管する。

カナダ環境評価局(CEA Agency)

〔英〕Impact Assessment Agency of Canada

  • “持続可能な開発”を支援し、十分な情報の存在下で意思決定がなされるような、高い品質の環境アセスメントを国民に提供する役割を担う。カナダ環境アセスメント法(CEAA)及びその規則の執行を所管する。



事業者

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)

【処分実施主体】 〔英〕Nuclear Waste Management Organization (NWMO)

  • 核燃料廃棄物機関 (NWMO)は、2002年に廃棄物廃棄物法に基づいて、原子力発電事業者により設立された。
  • NWMOは、核燃料廃棄物の長期管理アプローチを検討し、連邦政府に提案する。また、連邦政府及び総督により決定された長期管理アプローチを実施する。
  • 原子力発電事業者及びカナダ原子力公社(AECL)は、長期管理アプローチの実施に備えて、信託基金による資金確保を行う。


NWMOの設立に当たっての構成員(原子力発電事業者)
  • オンタリオ・パワー・ジェネレーション社 Ontario Power Generation Inc.(OPG) (オンタリオ州営→1998年12月民営化、1999年4月分割)
  • ハイドロ・ケベック社 Hydro-Québec (ケベック州営)
  • NBパワー・ニュークリア社 NB Power Nuclear (ニューブランズウィック州営、NBパワーグループの子会社)
資金確保策(信託基金)の設置者


自治体関連

各自治体に設置されている 地域連絡委員会へのポータルサイト (community liaison committee, CLC)


オンタリオ州

サスカチュワン州

スペイン リンク集

スペイン スペイン

スペインにおける高レベル放射性廃棄物処分の実施体制

国の組織

スペインの国家形態は議会君主制である。議会君主制において国家元首である王室(国王)は、憲法と法で明確に定められる機能のみを有し、三権(行政、立法、司法)のいずれの権力ともつながらない。この意味で、国王は君臨するが統治は行わない。

議会

議会(国会)は上院及び下院からなる二院制をとっています。


スペイン政府

産業・エネルギー・観光省(MINETUR)

〔スペイン語〕Ministerio de Industria, Energia y Turismo |〔英〕Ministry of Industry, Energy and Tourism

  • 政府及び放射性廃棄物管理に関する主管省庁である産業・エネルギー・観光省(MINETUR)は、放射性廃棄物管理事業の推進に資する各種の政策立案や政策に伴う各種活動の管理面で中心的な役割を果たす一方で、規制基準等の策定や規制に基づく許可当局としての安全規制面での役割も有する。安全規制面においてMINETURは、原子力施設や放射性物質取扱い施設の認可の交付、変更、保留、中止に関する取り決めと拘束力のある決定を行い、また法的規準に違反するものがあれば罰則を適用することができる。また、原子力安全審議会(CSN)に義務付けられた報告(場合によっては拘束力がある)に従い、同省は様々な原子力施設や放射性物質取扱い施設に対する許認可を行う。
  • MINETURの規制面での役割に関する規定は、原子力の平和利用や、それに伴う有害作用等からの生命、健康、財産の防護を目的とした管理方針を規定する「原子力法」において示されている。また、基本法を補完する具体的な規則(例えば、1999年原子力施設及び放射線取扱施設に関する規則)では、各規則の適用の責任を有する所轄当局として、MINETUR及びCSNを位置付けている。


原子力安全審議会(CSN)

〔スペイン語〕Consejo de Seguridad Nuclear (CSN) |〔英〕Nuclear Safety Council

  • CSNは1980年の設置法に基づき、国家中央行政府から独立し、法人格及び固有の財産を持ち、国から独立し、原子力安全及び放射線防護に関して権限のある唯一の組織として創設されている(自身の運用に係る規約は政府承認を経た王令として発効される)。
  • 具体的には、原子力安全に関して、拘束力を有する報告書の発行と助言の提示を行う権限、建設から運転開始、運転、閉鎖に至るまで、このような施設について恒久的な検査と評価を実施する責任を有する。CSNの規制面での役割に関しては、原子力法においてその業務内容が規定されている。


事業者

スペイン放射性廃棄物管理公社(ENRESA)

【処分実施主体】〔スペイン語〕Empresa Nacional de Residuos Radiactivos, S.A. (ENRESA) |〔英〕Enresa

  • 1984年の設置令(王令1522/1984)に基づき、放射性廃棄物管理を行うスペインで唯一の組織として設置された。1984年の設置令では公的な有限会社(limited company)と位置付けられたが、2005年の王令以降はENRESAを国有会社(State-Owned Corporation)と位置付けている。
  • 国有会社であるENRESAの株式は、経済・競争力省所轄の国立研究センターであるエネルギー・環境・技術研究センター(CIEMAT)と、財務・総務省所轄の産業持株会社である国家産業出資公社(SEPI)が、それぞれ80%、20%を保有している。
  • ENRESAの職務内容は、1984年の設置令以降の数回にわたる修正令等を経て拡大されてきた。放射性廃棄物の管理業務以外では、次のような役割が課せられている(以下、重要なものを抜粋例示)。
  1. 総合放射性廃棄物計画(GRWP)の原案の策定(費用見積を含む)
  2. 上記計画の遂行に必要な資金に関する基金管理
  3. 上記計画の遂行に必要な研究開発計画の策定


電力会社(原子力発電所所有者)

  • スペインでは、原子力発電プラントの多くが共同所有の形態となっている。現在操業中の8基の原子力発電プラントの所有者(許可保有者)は次のとおりである(2011年現在)。
  1. コフレンテス(BWR):Iberdrola Generacion, S.A.
  2. サンタマリア・デ・ガローニャ(BWR):Nuclenor, S.A. (Iberdrola Generacion, S.A. 50%; ENDESA Generacion, S.A. 50%)
  3. アルマラツⅠ(PWR):Iberdrola Generacion, S.A. (52,7%); ENDESA Generacion, S.A. (36%); Gas Natural SDG, S.A. (11,3%)
  4. アルマラツⅡ(PWR):(同上)
  5. トリリョ(PWR):Iberdrola Generacion, S.A. (48%); Gas Natural SDG, S.A (34,5%); Hidrocantabrico energia, S.A. (15,5%); Nuclenor, S.A. (2%)
  6. アスコⅠ(PWR):ENDESA Generacion, S.A.
  7. アスコⅡ(PWR):ENDESA Generacion, S.A. (85%); Iberdrola Generacion, S.A. (15%)
  8. バンデロスⅡ(PWR):ENDESA Generacion, S.A. (72%); Iberdrola Generacion, S.A. (28%)


自治体関連

  • ビジャル・デ・カニャス自治体 (カスティーリャ=ラ・マンチャ州 クエンカ県)… 2011年に、使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物等の集中中間貯蔵施設(ATC)の立地点に選定された
ベルギー リンク集

ベルギー ベルギー

ベルギーにおける高レベル放射性廃棄物処分の実施体制

国及び地方の組織

国及び地方の組織の最も上位の層は、連邦国家(Federal State)、リージョン(Regions. 「地域」ともいい、3つある)、言語共同体(Communities. 3つある)で構成されている。これらはいずれも法的観点においては対等とされている。二番目の層は州(provinces)で構成される。すべての基盤となるのは基礎自治体(communes)である。

3つのリージョン:

  • 1) フランデレン地域(Flemish Region) – 5つの州から構成される。
  • 2) ワロン地域(Walloon Region)– 5つの州から構成される。
  • 3) ブリュッセル首都圏地域(Brussels-Capital Region) – 州が存在しない

3つの言語共同体:

  • 1) フラマン語共同体(Flemish Community)
  • 2) フランス語共同体(French Community)
  • 3) ドイツ語共同体(German-speaking Community)

連邦議会

〔仏〕Le Parlement fédéral

二院制(下院・上院)

連邦政府

〔英〕federal government

15の大臣から構成される。ベルギーでは「省」(ministry)はなく、省に相当する行政組織は “Federal Public Services” (FPS) と呼ばれている。各FPSは大臣が主導するが、FPSは市民へのサービス提供を主たる役割とする。このため、放射性廃棄物に関連する具体的な行政は、連邦の政府機関・公共機関が担当している。

  • 連邦政府における原子力利用面の担当は 経済大臣(Le Ministre des Affaires économiques)、安全規制面の担当は 内務大臣(Le Ministre qui a l'Intérieur) である。


連邦の政府機関・公共機関

ベルギーでは、環境保護分野の行政は連邦ではなく、3つのリージョン(Regions)それぞれが担当する。ただし、原子力事業活動や放射線防護については例外的に、連邦の所管事項となっている。リージョン当局の関与は、原子力及び原子力以外の環境問題を協力して取り組むという目的に基づいた協議及び情報交換に限られている。

放射性廃棄物管理の側面において連邦議会は、連邦原子力管理庁(FANC)ベルギー放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)にほぼ似通った法的目標を与えてきた。その目標とは、特に放射性廃棄物が存在することによって発生する電離放射線に対する公衆と環境の保護を監督することである。しかし、これら2つの機関がこの目標を達成するために利用する手段や道具は異なっている。ONDRAF/NIRASの役割を、FANCの役割と混同してはならない。いずれの機関も補完的な役割を果たしている。


連邦原子力管理庁(FANC)

【規制機関】
〔オランダ語〕Federaal Agentschap voor Nucleaire Controle (FANC)
〔仏〕Agence fédérale de Contrôle nucléaire (AFCN)
〔英〕Federal Agency for Nuclear Control (FANC)

  • 2001年7月20日の「電離放射線に起因する危険からの一般公衆及び環境の防護、並びに連邦原子力管理庁に関する1994年4月15日法律の実施状況を監督することを任務とする連邦原子力管理庁の監督部の構成員の職責及び任命を定める王令」に基づいて、2001年8月1日から、連邦原子力管理庁(FANC)が原子力に関連する活動の監督を行っている。
  • 法人格を有する独立した政府機関(autonomous government agency)である。
  • 連邦政府が特定の科学的、専門的な能力に基づいて任命した14人の理事で構成される理事会による指導の下で活動を行う。
  • 理事は、その独立した立場を保証するため、任期中は原子力分野と公的分野でその他の責任を負うことはできない。
  • FANCは、理事会に参加する政府委員を通じて内務大臣の監督を受ける。毎年、議会に活動報告を提出する。
  • FANCは、許認可の発給、拒否、修正、保留及び取消し、並びに認定又は承認という行政上の法的行為を通じて、原子力事業者に対する権限を行使する。

Bel V

〔オランダ語〕Bel V |〔仏〕Bel V |〔英〕Bel V

  • the subsidiary body of the FANC. Bel V constitutes the Technical Safety Organisation (TSO) of the Belgian Nuclear Safety Authority.
  • Bel Vは、私法に基づいて創設された連邦原子力管理庁(FANC)の子会社である。
  • FANCは、原子力施設での検査について、Bel Vの技術的専門知識に依存している。


ベルギー放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)

【処分実施主体】 〔→事業者〕
〔オランダ語〕Nationale instelling voor radioactief afval en verrijkte splijtstoffen (NIRAS)
〔仏〕L'Organisme national des déchet radioactifs et des matières fissiles enrichies (ONDRAF)
〔独〕Nationale Einrichtung für radioactive Abfälle und angereicherte Spaltmaterialien (NERAS)
〔英〕Belgian Agency for Radioactive Waste and Enriched Fissile Materials

  • 使命・権限を規定する王令に基づいて創設されたベルギー放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)は、理事会によって運営される公共機関(public body)であり、理事は連邦政府が指名する。
  • ONDRAF/NIRASは、連邦のエネルギー大臣の監督を受け、理事会には政府委員が大臣の代理として出席する。内務大臣もONDRAF/NIRASの理事会に政府委員を派遣している。毎年、活動報告書を議会に提出する。
  • 安全な長期管理を考慮した処理済の廃棄物の品質の観点からのみ、廃棄物の貯蔵施設及び処理施設が条件を満足しているかを判断する。
  • 放射性廃棄物の発生者から拠出される処分に係る基金の管理も行う。
  • 活動を停止した施設の廃止措置に関する責任を負っており、処分場の開発も担当している。
    (処分実施主体としての役割については事業者セクションを参照)


研究開発機関

ベルギー原子力研究センター(SCK•CEN)

〔英〕Belgian Nuclear Research Centre
〔仏〕Centre d'étude de l'énergie nucléaire (CEN)
〔オランダ語〕Studiecentrum voor Kernenergie (SCK)

  • 当初、1952年に公益財団(FPU、Foundation of Public Utility)の形態で設立
  • 研究炉を操業しており、閉鎖されたPWR研究炉の解体も行っている。
  • 研究分野は、先進的な原子力システム(GEN-IV & MYRRHA (ADS))、核物質、核融合技術、放射線防護、放射性廃棄物処分、原子力研究の社会的側面などの多岐にわたる。
  • 放射性廃棄物処分の研究開発のため、処分の候補地層であるブーム粘土中に地下研究所(HADES)を整備している。


EIG EURIDICE

Economic Interest Grouping, European Underground Research Infrastructure for Disposal of nuclear waste In Clay Environment

〔英〕EIG EURIDICE |〔オランダ語〕ESV EURIDICE |〔仏〕GIE EURIDICE

  • SCK・CENとONDRAF/NIRASとの経済的利益グループ(EIG)である。グループ名(「ユーリダイス」と読む)は英語での接頭語から。
  • 高レベル放射性廃棄物、長寿命中・低レベル放射性廃棄物の粘土層での処分のフィージビリティ調査を実施している。
  • SCK・CENのモル研究所にある地下研究所(HADES)を運営している。


事業者

ベルギー放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)

【処分実施主体】
〔英〕Belgian Agency for Radioactive Waste and Enriched Fissile Materials
〔オランダ語〕Nationale instelling voor radioactief afval en verrijkte splijtstoffen (NIRAS)
〔仏〕L'Organisme national des déchet radioactifs et des matières fissiles enrichies (ONDRAF)
〔独〕Nationale Einrichtung für radioactive Abfälle und angereicherte Spaltmaterialien (NERAS)

  • ベルギー国内の全ての放射性廃棄物管理を一元的に行う機関として1980年に設置された公共機関(public body)。
  • カテゴリA(短寿命低・中レベル放射性廃棄物)をデッセル自治体で浅地中処分する計画を実施中。ONDRAF/NIRASは、地域とのパートナーシップ(STORA、MONA)と共同で計画を進めている。
  • カテゴリB(長寿命低・中レベル放射性廃棄物)及びカテゴリC(長寿命・短寿命高レベル放射性廃棄物)については、長期管理の方針の検討、関連する研究開発を実施している。


ベルゴプロセス社

〔オランダ語〕Belgoprocess N.V. |〔英〕Belgoprocess

  • ベルゴプロセス社は、ONDRAF/NIRASの100%子会社である。
  • ONDRAF/NIRASは、原子力施設の管理業務をベルゴプロセス社に出している。このため、モル(サイト2)とデッセル(サイト1)にある放射性廃棄物の処理・貯蔵施設の操業は、ベルゴプロセス社が当たっている(同社が施設の操業許可を取得)。
  • ベルゴプロセス社が操業等に当たっている施設としては、EUROBITUM(廃水の処理によって生じた低レベル及び中レベルのスラッジと蒸気発生器濃縮廃液を処理及び調整してビチューメン固化)、BRE(高レベル及び中レベル液体廃棄物の処理)、CILVA(低レベル放射性固体廃棄物及び液体廃棄物の処理)、熱分解施設(ユーロケミック社の再処理プラントで発生した、α汚染された有機廃棄物の熱分解、セメント固化)、PAMELA(ユーロケミック社の再処理プラントで発生した高レベル液体廃棄物のガラス固化施設。α汚染廃棄物及び中・高レベル固体廃棄物処理に向けて改修中)などがある。


その他

エレクトラベル社

〔英〕ENGIE Electrabel

  • フランスに拠点を置く電気事業者・ガス事業者であるENGIE(旧CDFスエズ)のグループ会社である。
  • 2カ所の原子力発電所(原子炉計7基)の操業者であり、原子炉から使用済燃料を取り出して燃料プールに移すまでの管理を担当する。

シナトム社

Synatom |〔英〕Synatom

  • エレクトラベル社の完全子会社であり、連邦政府はシナトム社の株式の一部を保有している。
  • 核燃料サイクルのアップストリームでは、濃縮ウランが燃料加工メーカーに払い出されるまでの管理を担当する。
  • 商業用原子炉から取り出された以降の使用済燃料の管理はシナトム社の担当になり、ONDRAF/NIRASに引き渡されるまでの中間貯蔵を担当する。

使用済燃料・放射性廃棄物の管理における、エレクトラベル社、シナトム社、ONDRAF/NIRAS の関係 (図式)


自治体関連

放射性廃棄物調査・協議グループ (STORA)

〔オランダ語〕Studie- en Overleggroep Radioactief Afval in Dessel (STORA)

  • 短寿命低・中レベル放射性廃棄物の処分プロジェクトについて、地域レベルで統合するような管理と協議の仕組みとして、地元とのパートナーシップという方法論を適用することによって、政府が希望している住民との協議方法を取った。
  • STORAは、ONDRAF/NIRASとデッセル自治体との間に確立されたパートナーシップである。 «http://www.stora.org/en/node/200»

モル放射性廃棄物協議グループ(MONA)

〔オランダ語〕Mols Overleg Nucleair Afval (MONA) vzw

  • MONAは、STORAと同様な主旨で、ONDRAF/NIRASとモル自治体との間に確立されたパートナーシップである。

中国

<if group==tidb>中国環境保護部(MEP) http://haq.mep.gov.cn/</if>

韓国

台湾

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