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- | 原子力安全に関しては「カナダ原子力安全委員会(CNSC)の設置及び関連法の改正のための法律」(原子力安全管理法、1997 年3 月20日)により、安全規制当局としてCNSC が設置されています。 | + | 原子力安全に関しては「カナダ原子力安全委員会(CNSC)の設置及び関連法の改正のための法律」(原子力安全管理法、1997年3月20日)により、安全規制当局としてCNSC が設置されています。 |
原子力施設の所有・運転にはCNSC の許認可が必要です。CNSCは、原子力安全管理法に基づいて、原子力の利用や放射線防護に関する規則を策定する権限を有しています。許認可取得者が遵守すべき一般的な要件は、一般原子力安全管理規則に示されており、許認可保持者に対して、原子力施設の廃止、許可の更新や修正、廃止においてCNSCに対する申請を求める規則などが定められています。 | 原子力施設の所有・運転にはCNSC の許認可が必要です。CNSCは、原子力安全管理法に基づいて、原子力の利用や放射線防護に関する規則を策定する権限を有しています。許認可取得者が遵守すべき一般的な要件は、一般原子力安全管理規則に示されており、許認可保持者に対して、原子力施設の廃止、許可の更新や修正、廃止においてCNSCに対する申請を求める規則などが定められています。 | ||
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- | * 核燃料廃棄物の地層処分場の建設以降で発生する将来費用を確保するために、核燃料廃棄物法に基づき、使用済燃料の管理責任を有する原子力企業4社は独自に設立した信託基金に毎年預け入れをしています。2015年12月末の基金残高合計は約37億カナダドル(約2, | + | * 核燃料廃棄物の地層処分場の建設以降で発生する将来費用を確保するために、核燃料廃棄物法に基づき、使用済燃料の管理責任を有する原子力企業4社は独自に設立した信託基金に毎年預け入れをしています。 |
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| オンタリオ・パワージェネレーション(OPG)社 | | オンタリオ・パワージェネレーション(OPG)社 | ||
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| ハイドロ=ケベック(HQ)社 | | ハイドロ=ケベック(HQ)社 | ||
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| ニューブランズウィック・パワー・ニュークリア(NBPN)社 | | ニューブランズウィック・パワー・ニュークリア(NBPN)社 | ||
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| カナダ原子力公社(AECL) | | カナダ原子力公社(AECL) | ||
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2002年の核燃料廃棄物法において、核燃料廃棄物の長期管理に必要な資金を確保する仕組みが導入されました。使用済燃料の発生者である原子力発電事業者3社(オンタリオ・パワージェネレーション社、ニューブランズウィック・パワー社、ハイドロ=ケベック社)とカナダ原子力公社(AECL)は、それぞれ独自に信託基金を設立し、この基金に毎年預け入れることになっています。信託基金には、核燃料廃棄物の地層処分場の建設及びそれ以降で発生する費用を確保します。これらの信託基金からの資金の引き出しは、処分実施主体であるカナダ核燃料廃棄物管理機関(NWMO)だけができると定められています。 | 2002年の核燃料廃棄物法において、核燃料廃棄物の長期管理に必要な資金を確保する仕組みが導入されました。使用済燃料の発生者である原子力発電事業者3社(オンタリオ・パワージェネレーション社、ニューブランズウィック・パワー社、ハイドロ=ケベック社)とカナダ原子力公社(AECL)は、それぞれ独自に信託基金を設立し、この基金に毎年預け入れることになっています。信託基金には、核燃料廃棄物の地層処分場の建設及びそれ以降で発生する費用を確保します。これらの信託基金からの資金の引き出しは、処分実施主体であるカナダ核燃料廃棄物管理機関(NWMO)だけができると定められています。 | ||
- | 各社は信託基金に対して、年末の残高が前年6月時点で発生している核燃料廃棄物を将来に処分するために現時点で保有すべき金額(割引後の金額)を超えるように毎年預け入れます。2015年12月末時点において、信託基金の残高合計は約37億カナダドル(約2,950億円)となっています。(1カナダドル=79円で換算) | + | 各社は信託基金に対して、年末の残高が前年6月時点で発生している核燃料廃棄物を将来に処分するために現時点で保有すべき金額(割引後の金額)を超えるように毎年預け入れます。2016年12月末時点において、信託基金の残高合計は約40億カナダドル(約3,628億円)となっています。(1カナダドル=90円で換算) |
なお、サイト選定活動などNWMOが将来に立地する地層処分場の建設許認可を受けるまでに発生する費用は、NWMOを設立した原子力電力事業者3社とAECLが核燃料廃棄物の処分量比率に応じて分担しており、年度毎に会計処理されています。 | なお、サイト選定活動などNWMOが将来に立地する地層処分場の建設許認可を受けるまでに発生する費用は、NWMOを設立した原子力電力事業者3社とAECLが核燃料廃棄物の処分量比率に応じて分担しており、年度毎に会計処理されています。 | ||
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==== NWMOによる処分費用の見積もり ==== | ==== NWMOによる処分費用の見積もり ==== | ||
- | 原子力発電事業者3社とカナダ原子力公社(AECL)の信託基金への拠出額を算定するために、NWMOは処分費用を算定しています。最新の費用見積もりは2011年に行われており、地層処分場のサイト選定を含む「適応性のある段階的管理」(APM)プログラムの実施に必要な費用を約179億カナダドル(約1兆4,200億円)と見積もっています。この金額は以下のような仮定で算定した額です。 | + | 原子力発電事業者3 社とカナダ原子力公社(AECL)の信託基金への拠出額を算定するために、 |
+ | NWMO は処分費用を算定しています。 | ||
+ | 拠出額算定に用いる処分費用の見積もりは2016 年に見直しさており、 | ||
+ | 地層処分場のサイト選定を含む「適応性のある段階的管理」(APM)プログラムの実施に必要な費用を | ||
+ | 約183億カナダドル(2015年価格、約1兆6,500 億円)と見積もっています。この金額は以下のような仮定で算定した額です。 | ||
* CANDU炉使用済燃料360万体(約68, | * CANDU炉使用済燃料360万体(約68, | ||
* 地層処分場は2035年から操業を開始し、2160年に閉鎖する。 | * 地層処分場は2035年から操業を開始し、2160年に閉鎖する。 | ||
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- | 選択肢の②と③では、貯蔵施設を300 年ごとに建て替えると仮定しています。選択肢①は30年後から地層処分を開始し、100年後から処分場を閉鎖するスケジュールを仮定したものです。 | + | 選択肢の②と③では、貯蔵施設を300年ごとに建て替えると仮定しています。選択肢①は30年後から地層処分を開始し、100年後から処分場を閉鎖するスケジュールを仮定したものです。 |
選択肢④はカナダの長期管理アプローチとして決定したものであり、30年後から30年間の集中中間貯蔵を組み込み、60年後から地層処分を開始、最大300年後まで処分場の閉鎖を延期するスケジュールを仮定しています。その後、処分場の閉鎖には25年を要するとしています。 | 選択肢④はカナダの長期管理アプローチとして決定したものであり、30年後から30年間の集中中間貯蔵を組み込み、60年後から地層処分を開始、最大300年後まで処分場の閉鎖を延期するスケジュールを仮定しています。その後、処分場の閉鎖には25年を要するとしています。 | ||
- | 「適応性のある段階的管理」(APM、選択肢④)の実施に必要となる費用は、処分の前段階として地下浅部での集中中間貯蔵施設を建設する場合には244億カナダドル(1兆9,300億円)、建設しない場合には226億カナダドル(1兆7,900億円)と推定されていました。 | + | 「適応性のある段階的管理」(APM、選択肢④)の実施に必要となる費用は、処分の前段階として地下浅部での集中中間貯蔵施設を建設する場合には244億カナダドル(2兆2,000億円)、建設しない場合には226億カナダドル(2兆340億円)と推定されていました。 |
hlw/ca/chap3.txt · 最終更新: 2018/05/02 15:24 by sahara.satoshi