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HLW:FI:chap5

フィンランド フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物処分

フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物処分

全体構成(章別)

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5. 情報提供・コミュニケーション

5.1 公衆との対話

ポイント

  • フィンランドでは、サイト決定の原則決定手続で地元自治体の賛成が必要とされるほか、自治体・住民の意思・意見反映が制度面でも確立されています。さらにポシヴァ社は、自主的にさまざまなコミュニケーション活動を精力的に行っており、フィンランドにおける特徴の一つともなっています。

情報開示、パブリックコメント、公聴会

透明性の確保と説明責任のための諸手続
透明性の確保と説明責任のための諸手続

フィンランドでは、処分場のサイト選定過程において自治体、住民の意見を反映するために、さまざまな活動が行われたことが環境影響評価(EIA)報告書に挙げられています。これらのうち、法令で制度化されている手続きには以下のものがあります。

これらの手続は、フィンランドでは大きく分けて二つの法律で規定されています。その一つは、EIA手続法に基づくEIA手続の中で、EIA計画書の審査とEIA報告書の審査の2つの段階で住民等に対する情報開示と意見聴取が行われます。他の一つは原子力法に基づく原則決定手続で、安全性を含めた処分場の建設・操業計画について、情報開示と意見聴取の手続が定められています。


地域コミュニケーション組織と会合

EIAの模様

制度化されたコミュニケーション方法以外にも、処分事業の計画と環境影響評価(EIA)に関し、できるだけ多くの住民に参加してもらって活発に議論してもらうため、ポシヴァ社は、さまざまな地域コミュニケーションの組織づくりに働きかけてきたことがEIA報告書に記載されています。

これらの地域コミュニケーション組織の中で、自治体からの代表者とポシヴァ社からの代表者をメンバーとする「協力/フォローアップグループ」は、最終処分に関する諸問題や、その計画、環境影響評価等について、ほぼ2カ月に1回の頻度で会合を行っていました。EIAの対象地域であったロヴィーサとクーモでは1997年に、エウラヨキとアーネコスキではより早い時期に、グループが組織されました。

これらの地域コミュニケーション組織などを通じて寄せられた意見や疑問等について、ポシヴァ社がEIA計画書を作成する際に考慮したほか、EIA報告書の社会的影響の評価において検討して対応しています。



5.2 意識把握と情報提供

ポイント

  • 実施主体のポシヴァ社は、処分事業の理解を得るための活動として、一方的な情報提供活動ではなく住民が情報を入手し、意見を表明できる場をさまざまな形で設けてきました。また環境影響評価の中では、住民の意識調査も行われています。

広報活動(情報提供)

展示会の模様(1)地域の催しに合わせて展示会を開催
source: Posiva EIA report (1999)

展示会の模様(2)トレーラーを用いた展示会の模様
source: Posiva EIA report (1999)

実施主体のポシヴァ社が行っている処分場開発のための情報提供(広報)活動については、環境影響評価書に詳しく述べられています。それによると、情報提供(広報)活動の目的は、環境影響評価(EIA)に住民が積極的に参加できるようにすることであり、具体的には、以下のことができるようにするとしています。

これらの目的を達成するため、ポシヴァ社は、次のような広報(情報提供)活動を行っています。

1997年のEIA協議時のニュースレター
1997年のEIA協議時に発行されたニュースレター
source: Posiva EIA report (1999)

EIAニュースレターは、自治体に処分事業内容やEIA手続のことを知らせるために発行されるようになったものです。文面を分かりやすくして多くの人々の理解促進を図るだけでなく、EIAへの参加を促すこともねらって作られています。

ポシヴァ社は地元の住民に、より多くの意見を出してもらうために展示会やワーキンググループ会合を企画・開催しています。こうした会合では、ブレーンストーミング(自由討論)やその他の手法を活用して、参加者の意見等を集める取り組みが行われました。


国民意識と住民意識(主な世論調査結果)

地元住民の意識調査
地元住民の意識調査source: Posiva EIA report (1999)

環境影響評価(EIA)のなかで行われた「住民の生活条件と全般的な幸福さへの影響評価」において、処分場立地を受け入れに対する地元住民の意識調査が行われています。1999年のはじめに、処分場の4つの候補地の自治体の居住者の10%を無作為に抽出して、電話による聞き取り調査が行われました。

原子力発電所が存在するエウラヨキとロヴィーサの2つの自治体では、賛成が約60%前後でしたが、クーモとアーネコスキの2つの自治体では、反対が60%前後という結果(右図を参照)でした。

またEIA報告書の中では、住民の持つ不安やリスクをどうとらえているか、原子力技術に対する意識、風評被害等さまざまな問題についての社会調査が行われています。下の表はそうした調査の中から、処分プロジェクトによる影響についての地元住民の意見を評価した結果として示されているものです。

地元住民が考える処分プロジェクトが与える影響の大きさ




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